在学生インタビュー
教員インタビュー

哲学科からのメッセージ

哲学科 学科主任
武内 大

とことん対話して「問い」の力を培おう

哲学は人生観や世界観を主張することだと思われがちです。もちろん、それらと無関係ではありません。しかし哲学というのは、「人生とはこうあるべきだ」、或いは「世界の正しい実相はこうなっている」などと単にテーゼを主張するだけではなく、そもそも「何故そうなるべきなのか」、「何をもってそれを正しいと見做すのか」といったように、さらにその前提へと問い進めていきます。哲学では「問い」の力が重要となります。しかしそれは自分にとって未知の事柄を問うことではありません。哲学の問いというのは、むしろ「あまりに自明すぎてかえって見えにくくなっていること」に向かいます。問いの力は、主に「対話」によって培われます。大学では、仲間の学生や教員ととことん対話してみて下さい。

開講科目の一例

哲学とは何か

どんな難しい哲学も思想も、歴史的経験があってこそ築かれたものです。20世紀に、人々はどのような歴史的経験を持ったのか、その経験をどのようにして哲学や思想として語ることになったのか――出現期の諸思想などから始めます。

日本思想史

日本思想の流れを主に「宗教的世界観」や日本の伝統芸術に見られる「美」観などに焦点を当てて考察することで、西洋の思想や美観と比較したときの特殊性と普遍性を理解していき、自分なりの思考を紡いでいくための力を身につけることを目的としています。

基礎演習(魔術的イメージの現象学)

魔術というのは、端的に言えば幻想世界から有益な知を獲得する術、或いは幻想世界を操る術のことです。 政治的プロパガンダや商業的広告戦略なども、幻想世界を操り、人々を魅了して呪縛するという点では、魔術的な行為と言えます。この授業では、現実の生活の中で気づかぬうちに仕掛けられた魔術(先入見)を、 主に現象学の方法を用いて 一つ一つ解き明かしていきます。

カリキュラムについての詳細は立正大学ポータルサイト

体験学習

臨床現場体験
哲学科では、「人間とは何か」という問いに取り組んでいます。そのためには、哲学の古典を読むだけでなく、現代に生きるわたしたちが直面する問題の解決策を見いだすことも重要です。たとえば、田坂さつき教授の講義では、難病や障害のある人たちとの対話を通して、学生たちが自身で問題を見つけ、その解決を目指して試行錯誤しています。難病や障害のある人たちに講義にきていただくだけでなく、学生たちがそうした人たちの暮らす場所に出かけていく機会もあります。人々の話に耳を傾け、生活に役立つ機器の製作などを手がけることで、新たな発見があり、人間についての考えが少しずつ深まっていきます。

卒業論文テーマ(例)

  • 『善の研究』から考察する幸福な生き方
  • プラトンのアトランティス伝説-理想国を目指して-
  • 『夜と霧』におけるフランクルの実存思想
  • ロボットに対する倫理的配慮の必要性
  • 人種差別による不平等は解消できるのか
  • フレーム問題と身体
  • LGBTと同性愛に対する哲学的一考察
  • チャールズ・テイラーの思想について
  • 絶対者に対する者としての死
  • 動物に対するクローン技術は許容されるのか

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