在学生インタビュー
教員インタビュー
史学科からのメッセージ
史学科 学科主任
石山 秀和
歴史学のおもしろさ・楽しさって、なに?
歴史学の勉強は、教科書や概説書を暗記することではありません。もちろん、いろんな本を読み、今まで知らなかった事柄を知ること自体は楽しいことです。しかし、本当の歴史学のおもしろさ・楽しさは、自身で仮説を創りだすことにあります。
ただ、仮説を創りだすといっても、実はそんなに簡単なことではありません。まず、自分なりの考え(仮説)を導き出すためには、これまでの研究の歴史(研究史・学説史)を知る必要があります。多くの先行研究を集めて読み、整理してその問題点を考えます。次に、仮説が単なる思いつきでないことを証明するために、根拠となる史(資)料を明示する必要があります。最後に、他の人に仮説を納得してもらうための文章力・説明力が必要です。要するに史(資)料を収集・整理するチカラ、読み解くチカラ、人に説明するチカラを十分に養うことが、仮説を創りだす前提となります。
これらの“チカラ”を修得することは決して容易なことではありません。史学科では、皆さんの歴史学学習を支援するためのカリキュラムを組み、教員が全力で指導します。
開講科目の一例
研究法(各分野)
日本史・東洋史・西洋史・考古学の各分野を研究するための基礎的な考え方や方法論について説明する講義(分野の選択自由、選択必修科目)です。史料または考古資料の調査方法について、またどのような参考書が有用か、どのように論文を書くかなど、それぞれ分野ごとに講義します。
特講(各分野)
担当教員が自身の専門とする分野をこれまでの研究成果を踏まえて講義します。時に最新の研究成果も披露されるので、受講生は学術研究の奥の深さを実感することができると同時に、その研究方法をも習得することによって、高等学校とは全く違った歴史学を学ぶことになるでしょう。
古文書学
歴史学を研究するには、古文書に対する正しい知識をもって、正確に読み、正しく理解することが大切です。そのために、古文書の様式や形態、古文書の機能を理解する必要があります。古文書学ではこうした基礎知識を学び、古文書を歴史学研究に利用する方法を講義します。
カリキュラムについての詳細は立正大学ポータルサイトへ
体験学習
過去の人々が創出した史・資料に直接触れ合うことにより、歴史への関心や興味が高められます。古文書学実習では昔の人々の書いた古文書の整理や解読をおこない、考古学実習では遺跡発掘やフィールド調査を経験することができます。歴史と肌で触れ合う瞬間です。これら以外にも各ゼミではいろいろな方法で歴史を肌で感じられるような機会をつくっています。
考古学実習
考古学専攻では考古資料を取り扱う「考古学実習」の科目を開設しています。2年次・3年次は通常授業として、遺物の実測・撮影、三次元計測、パソコンによるデータ処理を学びます。また、3年次・4年次では長期休暇中に野外実習を実施しています。令和4年度には東京都大田区池上本門寺での遺構測量、千葉県神崎町での古墳群の発掘調査、千葉県印西市龍腹寺板碑群の調査を実施しました。
最近の卒業論文から
- 平安時代における京職について
- 「蒙古襲来」再考
- 江戸後期における江戸近郊農村の絞油業
- 信州からみた西南戦争
- 1930年代の日本と上海租界
- 高昌吉利銭の貨幣価値の解釈をめぐって
- 元代における貂皮の役割と影響
- ホロコーストと「ふつうの」ドイツ人-銃後で何が知られていたか-
- ジャン・ボダンの魔女論
- 19世紀フランスの政治とカリカチュア-政治風刺新聞を中心に-
- 東国の初期寺院
- 石棒の生産と流通