先端研究
文学部の教員が実践している先端的な研究を紹介します。
研究名:デジタル時代における人文科学
| 枠組み | 人文科学研究所 共同研究(A) |
| 研究者 | トム・ゴーラム(語学課程) 木村史人(哲学科) 紺野英二(史学科) 野呂一仁(社会学科) 今井亮一(文学科英語英米文学専攻コース) 瀧口美佳(語学課程) 佐藤毅彦(図書館司書課程) 吉水拓哉(学術情報部 文書館事務課) |
| 研究期間 | 2024年4月~2027年3月 |
| 研究の紹介 | デジタル時代において、人文科学はどのように変容していくのか、また、Society5.0において、人文科学はどのような発信・表現をしていくべきなのかが問われています。本研究では、立正大学文学部に所属する教員および文学部の卒業生の職員が共同し、 以下のテーマについて研究しています。 ・文学作品のデジタルを活かした分析 ・インタネットの活用による海外との関わり方、留学の新しいあり方 ・図書館のデジタル化、博物館の展示のデジタル的な可能性 ・島に暮らす人々の生活やその調査法の変化 ・人文科学の魅力をSNS上で発信することの効果や意義 |
研究名:ブロックチェーンの哲学
| 枠組み | 個人研究 |
| 研究者 | 木村史人(哲学科) |
| 研究期間 | 2023年4月~ |
| 研究の紹介 | ブロックチェーンという技術が、どのように世界を変えるのかについて考えています。ブロックチェーンとは、データを分散管理することで、従来の契約において実際に紙に書くことや捺印を用いることによって確保されていた「確かさ」を、データ上でも確保できるようにした技術です。ブロックチェーンは、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)のように、データを物化する技術であるとともに、DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)のように、従来のピラミッド型の階層性を有さないコミュニティを形成することを可能にします。このようなブロックチェーンという技術は、我々のあり方や他者との関係をどのように変容させるのかを考えています。 |
| 研究成果 | 論文「シンポジウム ブロックチェーンの哲学」『立正大学哲学会紀要』19号、2024年。 https://cir.nii.ac.jp/crid/1520583790099518848 |
研究名:古代朝廷における服制の成立過程とその背景
| 枠組み | 個人研究 |
| 研究者 | 佐多芳彦(史学科) |
| 研究期間 | 2020年~ |
| 研究の紹介 | すべての歴史事象には、「生じた」「起きた」合理的な意味や理由がある。意味・理由の無いことは生じないし、起きない。そしてすべての歴史事象には時系列的な予兆や変遷があり、同じく時系列的な結果がある。こうしたことは「背景」と呼ぶには複雑で多岐にわたる。 有職故実という儀式・儀礼研究の大きな枠組みの中で古代朝廷の服制の解明を試みている。各時代や時期で分割され独立したものかのようになされる傾向の強い当該分野において、先達・諸先輩の業績をリスペクトしつつ自説を明らかにしていきたい。白鳳・奈良時代から平安時代へとその連続性を再考察し、鎌倉時代へとつなぐ。そろそろこの解明も一段落させ次の段階に進めたい。解明の結果を上梓するべく日々を重ねている。 |
研究名:日本の民主化過程の思想史的研究―鈴木安蔵の資料・著作の分野横断的分析を通して―
| 枠組み | 科研費 基盤研究(B)(研究代表) |
| 研究者 | 真辺美佐 |
| 研究期間 | 2025年4月~2030年3月 |
| 研究の紹介 | 鈴木安蔵(自由民権運動研究の先駆的歴史学者であり、戦後の「憲法草案要綱」起草にも携わった憲法学者)の旧蔵資料が本学図書館に所蔵されていることが確認されたのを契機に、 (1)全国に分散して所蔵されている旧蔵資料・関係資料・著作の網羅的調査を行い、 (2)自由・権利思想および福祉国家思想を手がかりに、思想史的分析を通じて日本の民主化過程を検討することを目的としています。 本研究では、歴史学と憲法学の視点から戦前・戦後の連続性と断絶を再検討し、現代の法・政治思想にも接続させつつ、日本の民主主義思想を国際的文脈のなかで相対化し、世界に向けて発信することを目指しています。 なお本研究は、私が着任した2022年4月から着手し、立正大学人文科学研究所個人研究費、立正大学 研究推進・社会貢献センター支援費の第3種及び第1種の助成も受けております。 |
| 研究成果 | ・「立正大学所蔵「鈴木安蔵旧蔵資料」とその意義 」『立正大学文学部研究紀要』39、2023年 https://rissho.repo.nii.ac.jp/records/11506 ・「立正大学所蔵「鈴木安蔵日記」(1947年10月2日~1948年12月31日)の翻刻と分析(上) 」『立正大学文学部研究紀要』41、2025年 https://rissho.repo.nii.ac.jp/records/2000808 ・「戦後初期における鈴木安蔵の民主主義思想 ―「鈴木安蔵日記」(1947年~1948年)を手掛かりとして―」『立正大学人文科学研究所年報』62、2025年 https://rissho.repo.nii.ac.jp/records/2000993 |