2017/11/15
【企画趣旨】
難病・重度障害者は適切な工学的な支援があれば日常生活を快適に過ごすことが出来る場面が多々ある。特にコミュニケーション支援や活動支援は、意思を表明して自己決定することを可能にし、QOLを高めるために重要である。このような工学的な支援は、必ずしも高度な工学技術を必要とするものではなく、生活用品の創意工夫で大きな効果が得られるものも多い。幾つかの大学や高専では、福祉施設と連携して、カリキュラムの中で福祉ものづくりを実施しているが、教育現場と福祉現場とを繋ぐ取り組みであるために、推進するためには課題も多いが、高い教育効果を上げている。福祉施設の側からは、福祉ものづくは、新たな工学ボランティアの育成という点でも期待は大きい。難病・重度障害者支援福祉ものづくりは、超高齢者社会を迎える日本にとって、高齢者の介護を家庭で行う際にも役に立つ知識を提供する。例えば、品川区のNPO法人ICT救助隊は、NEC社会貢献室と協働で、全国のALS患者とその家族にコミュニケーション支援機器の普及啓蒙活動および、機器使用に際して必要になるスイッチ製作をALS技術ピアサポータの協力を得て全国で実施している。本シンポジウムは、大学や高専の活動を企業の工学技術者や一般市民の方に福祉ものづくりの活動を知っていただき、福祉ものづくりの普及啓蒙活動をすること同時に、教育現場で実施する学校・福祉施設・地域の連携を深め、課題などを議論することを目的とする。