― 50 ―カントは、彼の批判哲学の基礎を置いた『純粋理性批判』を1781年に公刊したとき、すでに齢五十七歳であった。それ以前の長い哲学者としてのキャリアにおいて、彼はさまざまな研究を行なっていたことが知られている。この演習では、そのうちでもカントが四十歳の折公刊した『美と崇高の感情にかんする観察』を精読する。この著作は、「美」と「崇高」という古典的な美学のカテゴリーを手がかりにしながら明晰で豊かな人間観察を繰り広げたことで知られ、おそらくカントの著作中で最も読まれたとされる。その精読によっては、カントのモラリストとしての面に親しむと同時に、批判手哲への胎動を感じ取ることもできよう。この科目では、以下のような作業をして60時間以上の授業外学修を行なうこと。すなわち、各回に読むテクストの該当箇所を下読みして、理解できない点を明確にし、必要に応じて質問できるようにして授業を受けること。授業後には、授業の内容を念頭に置きながら、該当箇所を反復読み、自分なりのまとめを執筆すること。【第1回】イントロダクション【第2回】第一章「美と崇高の相異なる諸対象について」の読解(1)【第3回】同上(2)【第4回】同上(3)【第5回】第二章「人間一般における崇高と美の諸性質について」の読解(1)【第6回】同上(2)【第7回】同上(3)【第8回】第三章「両性の相互関係における崇高と美の差異について」の読解(1)【第9回】同上(2)【第10回】同上(3)【第11回】第三章「両性の相互関係における崇高と美の差異について」の読解(1)【第12回】同上(2)【第13回】同上(3)は出席扱いにしません。カントは、彼の批判哲学の基礎を置いた『純粋理性批判』を1781年に公刊したとき、すでに齢五十七歳であった。だが批判哲学の展開にはなお10年間以上の日時を要したのであり、その過程においては、批判哲学への反論者への対応も行なわれていたことが知られている。この演習では、とりわけカントが、彼の道徳哲学と法哲学に対するガルヴェの反論に対応するうちで成立した論文「理論では正しいかもしれないが実践の役には立たない、という通説について」(「理論と実践」と略称される)(一七九三年)を精読する。古来理論と実践の関係は哲学的な論争を呼ぶ問題であったが、同時代におけるそうした論争に対するカントの批判哲学からする態度表明を読み取ることができよう。それはまた、われわれの時代においてその問題にどのように対応すべきかを考えるよすがともなろう。この科目では、以下のような作業をして60時間以上の授業外学修を行なうこと。すなわち、各回に読むテクストの該当箇所を下読みして、理解できない点を明確にし、必要に応じて質問できるようにして授業を受けること。授業後には、授業の内容を念頭に置きながら、該当箇所を反復読み、自分なりのまとめを執筆すること。【第1回】イントロダクション【第2回】「Ⅰ 道徳一般における理論と実践の関係につい【第3回】同上(2)【第4回】同上(3)【第5回】同上(4)【第6回】「Ⅱ 国法における理論と実践の関係について」のは出席扱いにしません。抽 選 の 有 無あり備考抽 選 の 有 無あり備考湯浅 正彦湯浅 正彦の読解(1)第1期第2期講義コード11B5122401授業形態演習科目名哲学演習9履修前提条件授業の目的到達目標カントのテクストの読解をつうじて、西洋哲学へのなにがしかの理解を得ることができる。授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法期末のレポート60%、平常点40%により総合的に評価する。フィードバックの内容小テストを行なった場合には、模範解答を示す。教科書『プリントを配布する。』デカルト(中央公論新社)2002年指定図書なし。参考書『理性の劇場 カントとドイツ観念論理性の』加藤尚武(編)(中央公論新社)2007教員からのお知らせ適宜質問や討論の時間を設けるつもりですので、積極的に発言して哲学的な体験を深めるようにしてください。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて受け付けます。アクティブ・ラーニングの内容意見共有のための質疑応答。実践的な教育内容なし。その他テクストをもたない者(家へ忘れてきた場合を含む)の授業への参加を認めません。また、理由なく授業に遅刻して来た者講義コード11B5122501授業形態演習科目名哲学演習10履修前提条件授業の目的到達目標カントのテクストの読解をつうじて、西洋哲学へのなにがしかの理解を得ることができる。授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法期末のレポート60%、平常点40%により総合的に評価する。フィードバックの内容小テストを行なった場合には、模範解答を示す。教科書プリントを配布する。指定図書なし。参考書『理性の劇場 カントとドイツ観念論理性の』加藤尚武(編)(中央公論新社)2007教員からのお知らせ適宜質問や討論の時間を設けるつもりですので、積極的に発言して哲学的な体験を深めるようにしてください。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて受け付けます。アクティブ・ラーニングの内容意見共有のための質疑応答。実践的な教育内容なし。その他テクストをもたない者(家へ忘れてきた場合を含む)の授業への参加を認めません。また、理由なく授業に遅刻して来た者 担 当 教 員 開 講 期 担 当 教 員 開 講 期 て」の読解(1)読解(1)【第7回】同上(2)【第8回】同上(3)【第9回】同上(4)【第10回】「Ⅲ 国際法における理論と実践の関係について」【第11回】同上(2)【第12回】同上(3)【第13回】同上(4)
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