― 36 ―日本で安楽死法を制定することの是非が論じられることにより、命をめぐる倫理が問われるようになったが、既に安楽死が合法の国で問題が起こっていることについては、知られていない。それが具体的にどのような問題であり、どのような背景から生じているのか。自分がその中に巻き込まれたとき、どのような判断をするのか、それを具体的な事例に即して丁寧に考えていきたい。生命倫理の問題を読み解き、グループで議論する力をつけることを目標とする。グループの構成員が、毎回順番に、司会・記録・等の役割を担い、討論することにより、哲学的問題を共に探求する方法をとる。全体で討論したり、共同で現実的な問題について考えたりする機会も設ける。事前学習として、次週扱う教科書の箇所を予め読み、ポイントをまとめて問題点をあげる。これを「予習シート」に記入し授業に持参し、グループ討議を行う。「予習シート」は提出するので、電子データあるいは自筆ノートで考察内容を保存して、それをもとに、レポートを作成する。全体で60時間以上行うこと。【第1回】ガイダンス【第2回】序 章「安楽死」について【第3回】第一部 安楽死が合法化された国で起こっていること【第4回】第二章 気がかりな「すべり坂」―線引きは動く【第5回】第二部「無益な治療」論により起こっていること【第6回】第四章 コロナ禍で拡散した「無益な患者」論【第7回】第三部 苦しみ揺らぐ人と家族に医療が寄り添うということ【第8回】第六章 安楽死の議論における家族を考え【第9回】終 章「大きな絵」を見据えつつ「小さな物語」を分かち合う【第10回】レポート構想シートの検討1【第11回】レポート構想シートの検討2【第12回】レポート構想シートの検討3【第13回】まとめン注:授業の進行は受講生の興味関心に適宜対応するので、予定を変更する可能性もある。ン著者をゲスト講師に招く講義を計画している。レポートのフィードバックはOpenLMS等にて行う。『メタバイオエシックスの構築へ』小松美彦 香川知晶(NTT出版)2010、『ケアの社会倫理学』川本隆史編(有斐閣)2005、『宗教と生命倫理』小松美彦 土井健司(ナカニシヤ出版)2005、『生権力の歴史-脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』小松美彦(青土社)2012せん。前回の考察をふりかえる事後学習、そして次回の事前学習をする習慣を身につけましょう。本授業に関する質問・相談は、下記オフィスアワーにて受付けます。木曜2限 研究室(2号館12階1202室)事前にメール等で予約すること。都合が合えば、上記以外の時間も可。毎時間の講読章に対する発表を2名程度行い、それに対する、挙手による意見共有を行ない、教員がコメントする。後半は、グル-プ・ディスカッションを3名ないし4名で行い、議論内容をグループごとに発表し、意見交換する。学期末レポート構想を各自が発表し、意見交換する。教科書の著者を招いてコメントしてもらう。第一章 安楽死「先進国」の実状第三章「無益な治療」論 医療が死を早めてよいのか?―島薗進第五章 重い障害のある人の親の体験から医療職との「溝」を考える抽 選 の 有 無なし備考田坂 さつき第2期講義コード11B5120702授業形態演習科目名基礎演習4B履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法予習シート 30% 討論への参加 20% レポート 50%フィードバックの内容課題に対するフィードバックは次週授業内冒頭にて行う。教科書『安楽死が合法の国で起こっていること(ちくま新書1759)』児玉真美(筑摩書房)2023指定図書参考書教員からのお知らせ事前学習を前提に授業を進めます。事前に教科書を読み、ポイントと問題点を把握しておかないと、有意義な討論はできまオフィスアワーアクティブ・ラーニングの内容実践的な教育内容その他 担 当 教 員 開 講 期
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