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蓮胤(鴨長明)の著述した『方丈記』やその周辺の作品を用いて、中世文学を研究するための基礎的な知識を学ぶ。『方丈記』は、一般に自照性の強い随筆と認識されてきた。しかし、本書を思想性豊かな仏教文学であると論じる有力な学説が提示されたことによって、長きにわたる『方丈記』随筆説も再検討の時期を迎えている。本講義では、『発心集』を併せ読むことで、蓮胤の思想をより深く探る。『方丈記』の構成や執筆意図、『発心集』の編纂意識などを探究することで、作品成立の背景となった時代思想や宗教思想などを学ぶことができる。なお、『方丈記』は、中学校・高等学校の古文の教材として用いられることが多いので、教える側の視点に立ち、作品の特徴や解釈の仕方などを学ぶこともできる。『方丈記』はもとより、『発心集』『徒然草』などの思想性豊かな中世文学作品を読んでおくと、毎回の講義が理解しやすくなる。『方丈記』や『徒然草』に関しては、高等学校の古典の授業で習った内容を復習しておくとよい。この科目では、配布資料の予習20時間を含め、60時間の学修を行うこと。【第1回】中世文学思潮-自己観照の深まり【第2回】中世文学思潮-文学と仏教思想 その①【第3回】中世文学思潮-文学と仏教思想 その②【第4回】中世文学思潮-無常と無常観【第5回】蓮胤『方丈記』を読む  その①【第6回】蓮胤『方丈記』を読む  その②【第7回】蓮胤『方丈記』を読む  その③義にて行う。試験前には事前に問題を提示し、調べ方や書き方の指導を行う。るのではなく、作品の正確な読解にもとづく疑問や問題意識をもってもらいたい。もとづき、翌週の講義時間内・時間外に教室で対応する。日本古典文学の成熟に影響を与えてきた漢文学の中でも、特に白居易の詩(白詩)は別格の影響力を持つ存在です。本講義では、『白氏文集』(白居易の別集)収録の詩文をテキストとして、白詩の日本文学への影響や和漢の美学の違い、享受の段授業の目的階で変成していく内容といった点に主眼を置き、作品をより深く鑑賞することを目的とします。到達目標和漢比較を中心に、漢詩文の鑑賞能力を高めることができる。鑑賞能力の向上により、中学校・高等学校の国語科教員となった際に必要な理念や技能を把握し、教材研究に生かすことができる。授業外学修内容・この科目では、次回の授業で取り扱う内容に関する調査や、課題に関する調査など、60時間以上の授業外学習を行うこと。授業外学修時間数適宜、辞典や参考書を用いて内容を整理し、問題点を設定しておくこと。【第1回】ガイダンス、研究の基礎手続、白居易について【第2回】白詩と日本文学①-「陵園妾」の享受史【第3回】白詩と日本文学②-「李夫人」の享受史【第4回】白詩と日本文学③-「上陽白髪人」の享受史【第5回】白詩と日本文学④-「琵琶引」の享受史【第6回】白詩と日本文学⑤-「長恨歌」の享受史①【第7回】白詩と日本文学⑥-「長恨歌」の享受史②『白楽天詩選 上(岩波文庫)』川合康三(岩波書店)2011、『白楽天詩選 下(岩波文庫)』川合康三(岩波書店)2011、『和漢朗詠集現代語訳付き(角川ソフィア文庫)』三木雅博(角川学芸出版)2013、『王朝漢詩選(岩波文庫)』小島憲之(岩波書店)1987、『唐物語(講談社学術文庫)』小林保治(講談社)2003『中国学芸大事典』近藤春雄(大修館書店)1978、『中国日本「漢」文化大事典』川合康三・大谷雅夫・黒田真美子・小島毅・後藤昭雄(明治書院)2024、『漢詩の事典』松浦友久・植木久行・宇野直人・松原朗(大修館書店)1999、『校注唐詩解釈辞典』松浦友久(大修館書店)1987、『続校注唐詩解釈辞典(付)歴代詩』松浦友久(大修館書店)2001、『新編中国名詩選 上(岩波文庫)』川合康三(岩波書店)2015、『新編中国名詩選 中(岩波文庫)』川合康三(岩波書店)2015、『新編中国名詩選 下(岩波文庫)』川合康三(岩波書店)2015る。抽 選 の 有 無あり備考抽 選 の 有 無なし備考【第8回】蓮胤『方丈記』を読む  その④【第9回】蓮胤『方丈記』を読む  その⑤【第10回】蓮胤『方丈記』を読む その⑥【第11回】『方丈記』から『発心集』へ【第12回】中世の説話を読む【第13回】中世仮名法語の世界【第8回】白詩と日本文学⑦-「長恨歌」の享受史③【第9回】白詩と日本文学⑧-「長恨歌」の享受史④【第10回】白詩と日本文学⑨-「長恨歌」の享受史⑤【第11回】白詩と日本文学⑩-白詩と和歌文学【第12回】白詩と日本文学⑪-白詩と王朝漢詩【第13回】第2期授業の総括、授業内試験谷山 俊英布村 浩一第2期第2期― 327 ―講義コード11B8133601授業形態講義科目名古典文学研究2履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法試験もしくはレポート70%、授業への取り組み姿勢(質疑応答・課題提出など)30%で評価する。フィードバックの内容講義内容に対する質問や意見を所定の用紙(出席カード兼リアクションペーパー)に記入し、それに対する回答を翌週の講教科書なし指定図書なし参考書講義内で指示する。教員からのお知らせ教科書は使用せず、適宜配布するプリントを用いて講義を進める。そのため、毎回出席することが重要。講義内容を暗記すオフィスアワー本講義に関する質問や意見には、毎回の講義終了後に提出する質問・意見カード(出席カード兼リアクションペーパー)にアクティブ・ラーニングの内容教員からのフィードバックによる振り返り。実践的な教育内容その他講義コード11B8133701授業形態講義科目名日中比較文学論1履修前提条件授業計画成績評価の方法授業への取り組み姿勢(10%)、リアクションペーパー・課題(30%)、授業内試験(60%)の割合で、総合的に評価する。フィードバックの内容リアクションペーパーに対するフィードバックを、翌週以降の授業内やあるいはオンライン上(OpenLMSなど)で行う。教科書指定図書参考書教員からのお知らせ特定の教科書は使用せず、必要に応じて授業中にプリントを配布する。また、漢和辞典を準備しておくことが望ましい。オフィスアワーこの科目に関する質問・相談は、授業終了後の次の授業に支障のない時間帯、あるいはオンライン上(LMSなど)で対応すアクティブ・ラーニングの内容意見共有、能動的な授業外学習など実践的な教育内容その他   担 当 教 員    開 講 期    担 当 教 員    開 講 期 

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