― 300 ―1920~30年代の文学の文学史の流れを、メディア・身体・都市をキーワードにたどっていく。この時期は、映画がサイレントからトーキーへと発展し、1925年にはラジオ放送が開始されるなど、メディアの転換期にあたる。また、フロイトの精神分析学の用語が、大衆文化にも広まっていく時代でもあった。都市文化の爛熟と身体意識の変容のなかで文学作品を考えていくことが目的である。到達目標1920年代以降におけるモダニズム期文学の流れを、映画や演劇など多様なメディアと関連させながら考察できる。また、文学作品を身体と空間からとらえることができる。授業外学修内容・この科目では、60時間以上の授業外学修を行うこと。各回の授業で扱う作品については事前に読んでおくこと。また、作者授業外学修時間数の履歴や文学史における位置付けなどについては、事前にその概略を把握しておくこと。【第1回】映画と文学1 谷崎潤一郎「痴人の愛」と外国映画【第2回】映画と文学2 谷崎潤一郎「人面疽」【第3回】犯罪と文学1 佐藤春夫「指紋」【第4回】犯罪と文学2 谷崎潤一郎「途上」【第5回】精神科学と文学 夢野久作「ドグラマグラ」と「カリガリ博士」【第6回】メディアと文学 夢野久作「ドグラマグラ」とメディア【第7回】新感覚派の登場 新感覚派の文学と映画「狂つた一頁」【第8回】盛り場と文学 川端康成「浅草紅団」と浅草【第9回】江戸川乱歩・明智小五郎の探偵像【第10回】江戸川乱歩「人でなしの恋」と人形愛【第11回】鍵のかかる部屋 江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」と宇野浩二「夢見る部屋」【第12回】アンチユートピアと文学 佐藤春夫「のんしゃらん記録」【第13回】1920年代におけるメディア・身体・都市〈閉塞〉をテーマに、おもに【昭和以降】の近現代文学史を検討します。石川啄木「時代閉塞の現状」は、現代にこそ、読み直さなければいけないのかもしれません。皆さんが日々、実感しているかもしれない生きづらさや閉塞感を、関東大震災から掘り起こし、高度経済成長を潜って、現代へとつながる問題として捉えます。「作品」と「時代」との切り結び方をポイントに考察します。作家が「時代」を書いたというよりも、「時代」が作家に書かせた、作家の感受性を通して現前化したと考えられるような「作品」があります。そのような作品を読解しながら、文学史を再認識できる視点を身につけます。指定された文章の読解やミニレポートの作成に、計60時間以上の学修を行うこと。【第1回】導入【第2回】関東大震災と浅草十二階(凌雲閣)①【第3回】関東大震災と浅草十二階(凌雲閣)②【第4回】三島由紀夫の11月25日 ①【第5回】三島由紀夫の11月25日 ②【第6回】サブカルチャー文学論①【第7回】サブカルチャー文学論②ンン※ テーマよって、扱う回数が変わる場合もあります。ある。『座談会 昭和文学史1~6』井上ひさし/小森陽一(集英社)2003、『座談会 明治・大正文学史1~6』柳田泉/勝本清指定図書一郎/猪野謙二(岩波書店)2000、『英霊の聲オリジナル版』三島由紀夫(河出文庫)2005、『砂の女』安部公房(新潮文庫)2003参考書『昭和文学の風景』保昌正夫/槌田満文/鈴木貞美/他(小学館)1999、『近代という教養』石原千秋(筑摩書房)2013、『日本近代小説史』安藤宏(中公選書)2015何となく感じていることを、言葉によって明確化することが大事です。そのために資料の読解があると考えてください。ま教員からのお知らせずは、何が論じられているのかをしっかりと読み取っていくことにしましょう。漠然と思考するのではなく、資料を読解しながら思考します。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて対応します。また、LMSのメッセージ機能でも受付アクティブ・ラーニングの内容意見共有、能動的な授業外学習など。実践的な教育内容その他けます(利用方法はポータルサイト、ライブラリ内のマニュアルを参照)。抽 選 の 有 無なし備考抽 選 の 有 無なし備考中澤 弥葉名尻 竜一第1期第2期【第8回】不可能性の時代①【第9回】不可能性の時代②【第10回】映画「憂国」①【第11回】映画「憂国」②【第12回】安部公房「砂の女」①【第13回】安部公房「砂の女」②講義コード11B8121301授業形態講義科目名日本近現代文学史1履修前提条件授業の目的授業計画成績評価の方法課題(40%)、期末レポート(50%)、授業への取り組み姿勢(10%)フィードバックの内容課題に対するフィードバックは授業内で行う。教科書指定図書参考書教員からのお知らせオフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。アクティブ・ラーニングの内容講義で取り上げる小説作品等に関して、意見共有をする。実践的な教育内容その他講義コード11B8121401授業形態講義科目名日本近現代文学史2履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法ミニレポート(40%)、学期末レポート(60%)。ただし、出席率が3分の2にみたないときは、評価の対象としない場合がフィードバックの内容リアクションペーパーに対するフィードバックを、次の授業内で行う。教科書 担 当 教 員 開 講 期 担 当 教 員 開 講 期
元のページ ../index.html#310