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― 17 ―出版とはどのような営みか理解すること。出版は著作物という学術や情報、娯楽などのコンテンツを提供する文化的営みであるとともに、その複製物を頒布・販売する経済的な営みでもあります。出版という営みについて、現在の出版界・流通の仕組みと、出版のこれまでの歩みを講義します。本造りの基礎についても、長く出版社に勤務した経験をもとに話していこうと思います。授業前に配布するレジュメによる予習、復習に35時間以上の授業外学修を行うこと。また授業内で示される参考図書の閲読に25時間以上の授業外学修で理解を深めること。書店の見学など、講義内容を実際の現場で触れる授業外学習を5時間以上行うこと。【第1回】売上、出版点数、出版社・書店の数などの推移から見る、日本の出版の現状【第2回】出版社という企業の組織と仕事、出版社の二極化と寡占化・系列化【第3回】出版流通1 本はどのように読者のもとへ届くのか。出版社と取次、書店【第4回】出版流通2 出版を支える委託販売制度、再販売価格維持制度(再販制)【第5回】出版流通3 欧米との比較から見る委託販売制と再販制の問題点【第6回】本造りの基礎知識。企画から出版まで、本はどのようにして造られるのか【第7回】出版の歴史1 出版の始まりから活版印刷の成立まで【第8回】出版の歴史2 活字による印刷から始まった江戸時代の出版【第9回】出版の歴史3 江戸の出版繁盛。蔦屋重三郎を中心に【第10回】出版の歴史4 産業革命と教育がもたらした日本の出版離陸【第11回】出版の歴史5 資本主義産業としての出版講談社と岩波書店を中心に【第12回】出版の歴史6 読書の黄金時代を迎えながら、低迷を始めた現代の出版【第13回】まとめ 出版という営みの可能性を考える『読書と日本人』津野海太郎(岩波書店)2016、『江戸の本屋さん』今野洋三(平凡社)2017、『蔦屋重三郎』鈴木俊幸(平凡社)2012、『ベストセラー全史 近代編』澤村修治(筑摩書房)2019、『ベストセラー全史 現代編』澤村修治(筑摩書房)2019、『日本マンガ全史』澤村修治(平凡社)2020、『出版と権力 講談社と野間家の110年』魚住 昭(講談社)2021、『岩波茂雄』中島岳志(岩波書店)2013教員からのお知らせ積極的に質問してもらいたいと思います。時間の許す限り回答します。また出版界への就職などの相談についても応じたいオフィスアワー授業に関する質問や相談は、原則として授業終了後、次の授業に支障のない範囲で教室内で対応しますが、LSMのメッセーアクティブ・ラーニングの内容意見共有。教員からのフィードバックによる振り返り。能動的な授業外学修。と思います。ジ機能でも受け付けます。講師は出版社に長く勤務して雑誌、書籍、百科事典、写真集などの編集に携わり、また経営にも参画しました。その経験を実践的な教育内容踏まえながら出版にまつわる基本的な知識を講義しますが、企画立案の考え方や、人に伝わる文章の書き方、レポートや論文の構成方法なども講義の中で触れたいと思います。その他多くの作家、研究者、写真家の方々ともさまざまなお付き合いを経験してきました。その経験に触れられる時間は限られていますが、折に触れて松本清張、瀬戸内寂聴、村上春樹氏などとのエピソードもお話したいと思います。抽 選 の 有 無あり備考石川 順一第2期講義コード11B4132501授業形態講義科目名出版と流通履修前提条件授業の目的到達目標出版流通の概要が説明できる。出版産業の現状を説明できる。出版流通が抱える問題点を指摘できる。授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法出席(30%)、小テスト(20%)、レポート(40%)、授業への取り組み姿勢(10%)で評価する。フィードバックの内容講義のまとまりごとに、リアクションペーパーを提出してもらいます。翌週の授業内でフィードバックを行います。教科書指定図書参考書   担 当 教 員    開 講 期 

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