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― 226 ―本実習では、宗教を対象に調査をします。いままでは、地域社会(都内近郊)で宗教がどのような役割を担っているのかという調査や皆さんの近親者を対象に宗教意識や宗教行動といった宗教観の調査をしました。これらは、学生の皆さんが現代社会の中の宗教にかかわる課題/問題/知るべきことを調べ、それに基づいて実習全体で何を調査すべきかを決めたものです。本年度もやり方としては同様です。地域社会における宗教の役割でも宗教観でも構いませんし、あるいは上記のやり方で調査することを決めても構いません。この実習で重視するのは、宗教への興味関心以上に、「人々の価値観や意識、行為や行動をどのように捉えるのか」です。したがって、上記のようなことを自分の研究(皆さんの研究内容は問いません)で捉えたいと考えている人は、宗教を対象としなくとも訓練になると思います。尚、本実習では、量的・質的調査の併用を考えています。したがって、量的・質的調査やデータ分析、人々の「語り」の分析等に興味がある人は履修をするとよいでしょう。常日頃、身の回りにあり、いつでも考えることができることだけを考えるよりも、実習という機会でなければ触れない「非日常=宗教」について考えることは、皆さんの思考の訓練や調査能力の向上につながります。本実習の到達目標は、以下の9点と考えています。(1)テーマに関して知識を深めること。(2)現代社会を見渡し、その中からテーマに関わる事象・現象・対象(以下調査対象と略記)を選定すること。(3)調査対象に関する適切な文献資料を収集し、整理・検討をすること。(4)(3)の検討結果から「調査すべき」課題(調査する意義・意味)を設定すること。(5)設定した課題にもとづき、適切な調査設計をし、調査をすること。(6)調査結果を「社会学的なものの見方」で分析すること。(7)分析結果を報告書やレジュメとしてまとめ、報告すること。(8)分析結果から今後の課題(明らかにできなかったことなど)を見出すこと。(9)上記、社会調査に関わる一連の流れを理解し、自分自身で実行できるようにすること。本実習では、量的調査と質的調査の両方を行なう予定です。どのような対象を選択し、どのような内容の質問を作成し、調査票やインタビューに反映させるのか。そして収集した量的データやインタビューをどのように分析すればよいのか、これらは調査テーマに関する資料や先行研究をきちんと整理すれば見えてくるはずです。したがって、資料・先行研究の収集と分析には特に力を入れたいと思います。以上の点について120時間以上の授業外学修を行なってください。【第1回】ガイダンス、調査テーマの共有、グルーピング【第2回】資料・先行研究の収集と分析、報告1【第4回】資料・先行研究の収集と分析、報告2【第5回】資料・先行研究の収集と分析、報告3【第6回】調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)1【第7回】調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)2【第8回】調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)3【第9回】調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)4【第10回】調査準備(対象へのアポイント、質問項目・インタビュー内容の整理など)1【第11回】調査準備(対象へのアポイント、質問項目・インタビュー内容の整理など)2【第12回】調査準備(対象へのアポイント、質問項目・インタビュー内容の整理など)3【第13回】模擬調査、調査内容の再検討【第14回】実査後の資料整理(量的データの集計、インタビュー内容の整理、テープお越しなど)1【第15回】実査後の資料整理(量的データの集計、インタビュー内容の整理、テープお越しなど)2【第16回】実査後の資料整理(量的データの集計、インタビュー内容の整理、テープお越しなど)3【第17回】分析(追調査を含む)1【第18回】分析(追調査を含む)2【第19回】分析(追調査を含む)3【第20回】分析(追調査を含む)4【第21回】報告書の作成(追調査を含む)1【第22回】報告書の作成(追調査を含む)2【第23回】報告書の作成(追調査を含む)3【第24回】報告書の作成(追調査を含む)4【第25回】報告書の作成(追調査を含む)5【第26回】報告書完成、総括ン※尚、上記「計画」はあくまでも予定ですので、変更の可能性があります。生のみですので、注意してください。却する。抽 選 の 有 無なし備考武井 順介通年講義コード11B7120904授業形態実習科目名社会調査実習1D履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法授業への取組み50%、報告・報告書50% ただし、成績評価の対象は、授業を行なった回数の3分の2以上の出席がある学フィードバックの内容授業内での報告に関しては、内容に対する指摘を授業内で口頭で行なう。提出された文章に関しては、添削したのちに、返教科書指定図書参考書『社会学研究ガイドブック〈改訂版〉』立正大学文学部社会学科編(立正大学文学部社会学科)2012、『質的調査ガイドブック』立正大学文学部社会学科編(立正大学文学部社会学科)2008グループワークを基本としますので、遅刻・欠席はないようにしてください。また、授業時間外での作業が多い科目ですので、作業ができる時間を必ず作ってください。実習は受講者の主体的・積極的な参加が必要です。教員に「教わる」ことを意識して実習に参加しても得られることは少ないです。自分で「見つける」ことを意識して参加することによって、はじめて色々と得るものがあります。本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて受付けます。また、時間があれば授業終了後にも受け付けます。オフィスアワーや授業終了後では都合が悪い学生は、MicrosoftTeamsのチャットにて問い合わせ予約をとってください。教員からのお知らせオフィスアワーアクティブ・ラーニングの内容ディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション、実習・フィールドワーク実践的な教育内容その他   担 当 教 員    開 講 期 

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