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「考古学の成果から見る日本の食文化と生業」食は、ヒトが生きていく上で必要不可欠なものであり、食材を手に入れ調理する過程で様々な手段を講じてきた。しかし、特に日常的な食事の食材の入手や調理方法、さらに流通過程は記録(文献史料)には残りにくい。一方で、食物残滓など物証(遺物)として残ることも多い。そこで、本講義では、食文化及び関連する生業活動を復元するための考古学的方法とその成果について解説する。以下の4つを到達目標とする。1.考古学研究の基本である遺跡・遺構・遺物の形成過程について理解できる。2.考古学による食文化や生業の歴史の復元の方法を理解できる。3.日本の食文化の変化の背景や要因について理解できる。4.自然環境や社会環境が人に与える影響、またその逆についても理解できる。予習:対象の時代の概略を調べると共に前回の授業内容を復習しておくこと。各回の授業内容がお互いに関連づいたものになっている。(各回2時間)復習:OpenLMS等での小テストは披見可となっているので、それをおこなうことで復習をしてもらう。また、疑問点を整理し、自分なりに調べる。(各回2時間)【第1回】ガイダンス【第2回】旧石器時代の食と生業【第3回】縄文時代の食と生業1-漁労活動-【第4回】縄文時代の食と生業2-植物採集・栽培-【第5回】縄文時代の食と生業3-狩猟活動-【第6回】弥生時代の食と生業-灌漑農耕の伝来とそれによる生業活動の変化-【第7回】古墳時代・古代の食と生業-地方官衙の食文化の様相を中心に-【第8回】中世の食と生業【第9回】近世の食と生業1-都市江戸の食1:魚貝類-【第10回】近世の食と生業2-都市江戸の食2:鳥獣類-【第11回】近世の食と生業3-江戸大名屋敷の食文化の特殊性-【第12回】沖縄の歴史と食・生業【第13回】北海道の歴史と食・生業毎回の小テスト及び質問から受講生の理解度を確認し、次回の授業の際に補足もおこなう。具体的に、毎回の小テストに質問を記述する欄を設定し、次回にその質問に対する回答を受講者全員に向けておこなう。小テストの答え合わせと補足説明もおこなう。『縄文時代の考古学4 人と動物の関わり合い-食料資源と生業圏』小杉康[ほか]編(同成社)2010年、『縄文時代の考古学5 なりわい-食料生産の技術』小杉康[ほか]編(同成社)2007年、『弥生時代の考古学5 食糧の獲得と生産』設楽博己,藤尾慎一郎,松木武彦編(同成社)2009年、『事典江戸の暮らしの考古学』古泉弘編(吉川弘文館)2013年、『南島考古学入門 掘り出された沖縄の歴史・文化』沖縄考古学会編(ボーダーインク)2018年、『つながるアイヌ考古学』関根達人(新泉社)2023年、『オホーツクの古代文化 東北アジア世界と北海道・史跡常呂遺跡』東京大学文学部常呂実習施設[ほか]編著(新泉社)2024年講義内容の概要、講義の進め方などに関して説明する。抽 選 の 有 無あり備考阿部 常樹第2期講義コード11B6136801授業形態講義科目名考古学特講16履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法授業へ取り組み姿勢(10%)、復習用小テスト[披見可]12回(40%)、期末試験(50%)で評価する。フィードバックの内容教科書指定図書参考書教員からのお知らせオフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。アクティブ・ラーニングの内容教員からのフィードバックによる振り返り実践的な教育内容その他   担 当 教 員    開 講 期 ― 158 ―

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