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日蓮教団の成立は、古代からの法華信仰に裏付けられ、天台での修行を経た日蓮によって開創された。その後は、鎌倉から京都へと信仰の軸を移したものの、教線は中世を通じて全国に広がり、中世社会において大きな影響を与えることになる。本講義では、具体的な史・資料を明示しつつ、その信仰伝播の流れを俯瞰し、日本中世史における教団の果たした役割について歴史学的立場から言及する。この講義の主要な構成は、上記の流れに沿って行われる。2023年度の構成に準じているが、提示する史料・資料に更新を加え、別途新たな視点からの論点も含んでいることを付言しておく。受講により、日本中世史における日蓮教団の果たした役割を理解できるようになる。古文書などの歴史史料、絵画資料、その他モノ資料を利用して、どのように歴史像を構築していけばよいかが理解できるようになる。実際に寺院や博物館において、本講義に関係する資料に接した際に、的確な理解と判断ができるようになる。講義に関連する読書をしていただき,また、博物館,美術館への積極的な見学をしてもらう。時間総計としては,13回で計60時間。授業の内容の予習、復習として、この時間を当てることも可とする。この場合、見学場所,予習復習の具体的内容は適宜指示する。【第1回】ガイダンス:日本史の中の日蓮教団【第2回】日蓮の開宗と日蓮教団【第3回】鎌倉の日蓮教団【第4回】題目本尊・曼荼羅と布教【第5回】京都への布教と展開【第6回】門流の展開と分化【第7回】本門寺と日親書の代わりです。講義内容は各自ノートを取ること。参考書は講義中に適宜指示します。中世社会を生きる人々にとり、土地などの境界をめぐる大小の争いは切っても切り離せないものであった。そこで、中世後期(16世紀)を中心に、大名領国から村落までのさまざまな次元における境界争い(「境目相論」)を紹介し、紛争当事者の主張・論理とそれを仲裁・解決する人々が採用した方法・手段について講義する。1.境界争いとその解決手段には地域差を始めとする多様性が存在したことを理解し、列島規模での紛争状態・分裂状況を統一政権(豊臣政権・江戸幕府)が収束させるにいたった経過を説明できる。2.中世における紛争・解決を参考に、現代社会で頻発する紛争の要因・焦点について分類・分析できる。60時間以上の授業外学習をおこなうこと。下記参考書やOpenLMSに示す概説書などをとおして時代の概要をあらかじめ理解し、さらに授業各回で紹介する文献に接することで復習に努めてもらいたい。【第1回】境界線の引き方とその基準【第2回】各種史料(絵図)にみる境界線【第3回】大名・領主の紛争①勃発の契機【第4回】大名・領主の紛争②紛争と境目【第5回】大名・領主の紛争③調停と和平、戦後処理【第6回】境界線を引かないという方法①元に戻す【第7回】境界線を引かないという方法②中立地帯の設定・定期試験 48%『日本の歴史12 室町人の精神』桜井英治(講談社)2001、『日本の歴史13 一揆と戦国大名』久留島典子(講談社)2001、『日本の歴史15 織豊政権と江戸幕府』池上裕子(講談社)2002、『日本の中世11 戦国乱世を生きる力』神田千里(中央公論新社)2002、『日本の中世12 村の戦争と平和』坂田聡・榎原雅治・稲葉継陽(中央公論新社)2002、『日本中世の歴史6 戦国大名と一揆』池享(吉川弘文館)2009、『日本中世の歴史7 天下統一から鎖国』堀新(吉川弘文館)2010・事前にOpenLMSにアップロードした資料をもとに講義します。・授業中には、参考資料を適宜映写して提示します。・板書はしません。抽 選 の 有 無あり備考抽 選 の 有 無あり備考【第8回】日什と関東への教線【第9回】日像と北陸への教線【第10回】戦国仏教としての日蓮教団【第11回】京都の日蓮教団檀徒Ⅰ 天文法華の乱とその後【第12回】中世日蓮教団と織豊政権/洛中十六本山会合組織【第13回】日蓮教団と文化活動/中世から近世へ【第8回】村の相論【第9回】戦国末期の大名間抗争【第10回】織田政権の境目画定(国分)【第11回】織田政権と東国【第12回】豊臣政権①西国政策【第13回】豊臣政権③東国政策と「天下一統」古川 元也戸谷 穂高第2期第1期― 144 ―講義コード11B6130401授業形態講義科目名日本史特講4履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法この講義の到達目標に達成したかどうかを測る授業後のリアクションペーパー(各回5点×13回=65点)、授業への取り組み度合い(レポート20を含む計35点)の合計100点で評価する。リアクションの内容、方法については適宜指示する。フィードバックの内容リアクションペーパーに対する講評を、翌週授業で言及するなどして、20分~30分程度のフィードバックを行う。教科書指定図書参考書『日蓮教団全史』立正大学日蓮教学研究所編(平樂寺書店)1964.11教員からのお知らせ【重要】パワーポイントのデータは配布しません。著作権や非公開の場面の写真などがありますので。また、文字データは板オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。アクティブ・ラーニングの内容該当なし実践的な教育内容その他該当なし講義コード11B6130701授業形態講義科目名日本史特講7履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法・授業への取り組み姿勢(リアクションペーパー)52%フィードバックの内容リアクションペーパー等で寄せられた重要な質問には、以降の授業ないし個別に回答する。教科書指定図書参考書教員からのお知らせオフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。アクティブ・ラーニングの内容リアクションペーパーを活用します。実践的な教育内容その他   担 当 教 員    開 講 期    担 当 教 員    開 講 期 

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