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― 316 ―〈イメージ〉という語は、何かの漠然とした「印象」を指すこともあれば、何かの「姿かたち」を指すこともあるし、視覚的な像を指すこともある、拡がりのある概念である。本授業では、〈イメージ〉の概念の拡がりを確認した上で、最も関係の深い〈映像〉に焦点を当て、それがどのような性質を持つのか、技術史的な側面から講義する。具体的この問題を以下三つの観点から検討する。1、〈イメージ〉、〈映像〉の言語的な定義2、視覚と言葉の関わり3、映像の技術史授業は概念的な考察を重ねる前半部と、映画が誕生するまでの映像技術に関する歴史的な概説をする後半部からなる。全体を通じて、言葉による概念的な把握と、像による直感的な把握の相違と共通点について理解を深めることを目的とする。補足的に1960-70年代日本の写真に関する議論を参照する予定。映像と言語が相互にいかに関わっているか、具体的な例を通じて学び、この問題に対してどのような論点があり得るか、包括的な知識を得る。映像の技術史を概観し、個別の作家・作品論へと応用できる基礎的知識を得る。比較芸術論の考え方を学ぶことで、映像作品を総合的に捉え、批判的に観賞する能力を身につける。この授業では、授業外に60時間以上の学修を求めます。授業中に示す参考文献に目を通したり、積極的に都内の映画、演劇、展覧会を観に行くことで授業内容への理解を深めてください。【第1回】ガイダンス【第2回】言語とイメージの関わり1―比較芸術論の観点から【第3回】言語とイメージの関わり2―風景論【第4回】概念としての〈イメージ〉―「映像」・「影像」・image【第5回】文学の中の〈映像〉1―個別の作品から【第6回】文学の中の〈映像〉2―物語学【第7回】映像の技術史1―全体像の提示と、現象としての映像のしくみ【第8回】映像の技術史2・投影―カメラオブスクラ【第9回】映像の技術史3・投影―幻燈・マジックランタン【第10回】映像の技術史4・定着―写真【第11回】映像の技術史5・動き―仮現運動のしくみと視覚玩具【第12回】映画の誕生【第13回】写真をめぐる議論1―森山大道と寺山修司【第14回】写真をめぐる議論2―中平卓馬と寺山修司【第15回】まとめ・テストに向けて総復習か(フィルムアート社)2014※指定図書は、参考までで直接は授業において扱いません。教員からのお知らせ※参考書は、イメージと文学2でも使用予告をしたものです。資料を配りますので、購入は必須ではありません。映像関係の単元を終えた後、授業後半に余裕があれば、この内容を扱います。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。メール受付も可。授業時アクティブ・ラーニングの内容毎回の授業後にフォームスによるアンケートを実施します。それに対して、次回授業で応答します。その他間内に指示。抽 選 の 有 無あり備考堀江 秀史第1期講義コード11B8131301授業形態講義科目名イメージと文学1履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法毎回の授業後に提出するリアクション・ペーパー(50%)及び期末試験(50%)によって評価する。フィードバックの内容適宜、リアクション・ペーパーに対するコメントを授業中でおこなう。教科書指定図書『メディア文化論 メディアを学ぶ人のための15話』吉見俊哉(有斐閣アルマ)2012、『デザイン化される映像』堀江秀史ほ参考書『寺山修司の写真』堀江秀史(青土社)2020年   担 当 教 員    開 講 期 

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