文学科日文コース― 313 ―この講義では、芥川賞の選評を批判的に検討したうえで、選評の対象となっているテクストの読解も一部行います。扱う小説テクストは、時代を戦後にしぼったうえで、従来の「日本文学」から逸脱するようなものを選んでいます。受賞作だけではなく候補作(つまりは落選作)も扱います。日本で最も有名な文学賞である芥川賞は、選考委員の討議のもとに決定されます。選考会後、選評が発表されますが、そこには「日本文学とは何か」といった、委員たちの文学観がしばしばにじみ出ています。いくつかのテーマに沿って候補作・受賞作を読み比べることで、「日本文学」の境界線/輪郭線-つまり、何が「日本文学」の範疇に入るものとされ、何がされないのかを批判的に探っていきます。(1)文学作品の周辺情報から問題を発見し、鑑賞や読解に活かせるようになる。(2)「日本文学」に対する視野を広げる。(3)先行研究や先行評を鵜吞みにせず、批判的に検討できる視点を養う。授業内で扱う文学作品を事前に読む予習を30時間、復習およびリアクションペーパーの記入に30時間の学修を行うこと。【第1回】授業のガイダンス+芥川賞というドラマ【第2回】国文学?日本文学?日本語文学?【第3回】李恢成と金鶴泳-在日朝鮮人文学の“困難”-【第4回】李良枝『由煕』【第5回】鷺沢萠『ほんとうの夏』【第6回】大城立裕『カクテル・パーティー』【第7回】目取真俊『水滴』【第8回】複雑化する「越境」-日本語文学の現在地-しっかりと復習したうえで授業に臨んでください。『古事記』上巻を中心とした日本神話のモチーフを、民間説話の手法を用いて読み解く。民間説話は口頭で伝えられるため、その伝承される土地の文化や風土の影響を受けつつ、何世代にも亘り語り継がれてきた。そこで、日本神話に登場するモチーフが、どのように現代の民間説話に受け継がれているかを追い、その背景にある文化を探る。到達目標民間説話についての基本的知識と研究方法を身につけ、民間説話の伝承の基盤である生活文化まで視野に入れて考察できる授業外学修内容・授業外学修時間数ようになることが目標である。その上で、文学を支えている文化を考察する力をつけることを目指す。授業にて配付するプリントの予習・復習に40時間、レポートの作成に20時間、合計60時間の学修をおこなうこと。【第1回】ガイダンス【第2回】日本神話の特徴・海外の神話との比較について【第3回】創世神話について【第4回】兄妹婚神話・説話について【第5回】異界訪問譚について【第6回】太陽に関する神話について【第7回】穀物起源神話・説話について【第8回】アンドロメダ型神話・説話について【第9回】民間説話中のトリックスターについて【第10回】難題婿譚について【第11回】日中の小さ子譚について【第12回】死の起源神話について【第13回】兄弟葛藤譚について【第14回】日中の異類嫁について【第15回】まとめと復習積極的な授業参加を期待している。抽 選 の 有 無なし備考抽 選 の 有 無なし備考【第9回】楊逸『ワンちゃん』【第10回】シリン・ネザマフィ『白い紙』【第11回】崔実『ジニのパズル』【第12回】温又柔『真ん中の子供たち』【第13回】李琴峰『彼岸花の咲く島』【第14回】グレゴリー・ケズナジャット『開墾地』【第15回】授業のまとめ康 潤伊立石 展大第2期第2期講義コード11B8125701授業形態講義科目名現代文芸批評1履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法リアクションペーパー50% 期末レポート50%フィードバックの内容リアクションペーパーへのフィードバックは授業内に行います。教科書指定図書参考書教員からのお知らせ教科書および参考書は授業内に適宜指示をします。なお、授業内容が多少前後することがあります。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。アクティブ・ラーニングの内容リアクションペーパーへのフィードバックは授業内に行います。フィードバックを聞いて理解ができるよう、前回の内容をその他講義コード11B8130101授業形態講義科目名伝承文学1履修前提条件授業の目的授業計画成績評価の方法授業への取り組み(質疑応答やコメントペーパーなど)50%、レポート(3000字以上)50%で評価する。フィードバックの内容コメントペーパーに関するフィードバックは、授業時におこなう。教科書授業時にプリントを配付指定図書授業中に指示する参考書授業中に指示する教員からのお知らせ教科書は指定せず、授業時にプリントを配付する。扱う民間説話のモチーフは、学生諸君にも馴染みがあるものが多いので、オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、コメントペーパーへの書きこみや、授業前後の時間で対応する。アクティブ・ラーニングの内容教員からのフィードバックによる振り返りを行い、レポート作成の際には、能動的な授業外学習を行います。その他必ず授業回数の3分の2以上の出席をすること。 担 当 教 員 開 講 期 担 当 教 員 開 講 期
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