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ンン※『東京ノート』の戯曲については授業内で説明します。ン【第14回】総括①【第15回】総括②ンン※ 作品によっては、扱う回数を変更する場合があります。20世紀末の演劇界は「演出」の時代だと言われました。演劇の新しさは新作の発表だけでなく、古典の「読み直し」によって創られた舞台にもあると考えたわけです。それに倣うならば、文学の新しさは新作の発表だけでなく、文学を別のジャンルに移行して再創造された作品にもあると言えるでしょう。文学を別のジャンルへ移行して再創造するとき、「演出」の要素が必ずや入り込みます。講義ではこの「演出」を作品の「読み直し」ととらえて、文学読解の新たな視点として立ち上げます。ジャンルを横断する文学作品を取りあげます。小説をもとにして創られた演劇や、詩歌をもとにして創られた映画などがありますが、創作家が文学作品を別の表現形式で創作し直すとき、研究者とは違ったアプローチの仕方で作品の潜在的な可能性を見出しているのではないでしょうか。このような創作行為に読解のポイントを置いて作品を批評できるようになります。指定された文学作品を事前に読むことと、関連資料を図書館やインターネットをつかって調べることに、計60時間以上の学修を行うこと。【第1回】導入【第2~4回】坂口安吾 - 小説「桜の森の満開の下」を中心に、その演劇化された作品を比較検討していきます。ここでは、野田秀樹作・演出『贋作・桜の森の満開の下』を取り上げ、坂口安吾の作品群がどのように読解されたかを見ます。【第5~7回】三島由紀夫 - 小説『潮騒』を中心に、その映画化された作品を比較検討していきます。三島由紀夫は映画化にあたって「典型と個性とは反対のものであって、『潮騒』の永遠の少女初江は、個性なんかで演じられるものではない」と役作りへの要望もしています。【第8~10回】寺山修司 - 歌集『田園に死す』を中心に、自ら監督した映画「田園に死す」(カンヌ国際映画祭出品作)を比較検討していきます。児戯の〈かくれんぼ〉や、詩人と交わされた〈様式論争〉を視座として寺山修司の問題意識を探ります。【第11~13回】平田オリザ - 演劇『東京ノート』(岸田國士戯曲賞受賞作)を中心に、映画監督の小津安二郎からの流れ、また生態心理学のアプローチを踏まえて、演劇史のうえで「静かな演劇」と括られるリアリズムの追究の仕方を検討します。は、評価の対象としない場合があります。けます(利用方法はポータルサイト、ライブラリ内のマニュアルを参照)。抽 選 の 有 無なし備考葉名尻 竜一第2期講義コード11B8122901授業形態講義科目名日本文学特講3履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法ミニレポート、授業への取り組み姿勢(30%)、学期末の課題レポート(70%)。ただし、出席率が3分の2にみたないときフィードバックの内容ミニレポートについては、翌週の授業時に全体的な講評をする。教科書『桜の森の満開の下・白痴』坂口安吾(岩波書店;岩波文庫)2008、『潮騒』三島由紀夫(新潮社;新潮文庫)1955、『寺山修司青春歌集』寺山修司(KADOKAWA;角川文庫)2005『東京ノート』平田オリザ(ハヤカワ演劇文庫)2007、『文学における〈隣人〉-寺山修司への入口-』葉名尻竜一(KADO-KAWA)2018、『寺山修司(コレクション日本歌人40)』葉名尻竜一(笠間書院)2012、『平田オリザの仕事〈1〉現代口語演劇のために』平田オリザ(晩聲社)1995指定図書参考書教員からのお知らせこれは自分にしか指摘できない、と言えるような作品の奥行きを発見して欲しい。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて受付けます。また、LMSのメッセージ機能でも受付アクティブ・ラーニングの内容意見共有、能動的な授業外学習などその他   担 当 教 員    開 講 期 ― 302 ―

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