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この授業では、中国思想史を概説的に講義し、特に漢~明代を扱います。中国思想は、いわゆる哲学的な側面だけではなく、政治・経済的な側面、科学や芸術などを幅広く含み(特に教員の専門である音楽をしばしばとりあげる予定です)、これらを理解するためには歴史的・社会的背景を知る必要があります。この授業は中国思想の在り方を包括的に理解することを通し、明代に至るまでの中国、東アジア社会を理解することが目的です。・中国の思想、科学、芸術、歴史に関して、その概略を説明できる。・中国の思想、科学、芸術、歴史に関する基礎的な史料・資料を図書館で調査することができる。・中国思想の諸問題を自らの考えと関連付け、哲学的な思考ができる。参考書を読み毎回復習して下さい(3時間×15回=45時間)。最終レポート(「思想・芸術・科学・経済・政治に関する本を一つを選び概要をまとめ、授業や自らの専門と関連付けて考えたことを論理的に書きなさい」)の準備をして下さい(15時間)。以上をふまえこの授業では60時間以上の授業外学修を行うこと。【第1回】イントロダクション【第2回】荀子①【第3回】荀子②【第4回】漢代の歴史と経学【第5回】『漢書』の世界①(律暦志)【第6回】『漢書』の世界②(芸文志)【第7回】魏晋南北朝時代の玄学①【第8回】魏晋南北朝時代の玄学②【第9回】隋唐時代の歴史と外来文化の受容【第10回】北宋時代の思想【第11回】南宋・朱熹と朱子学【第12回】明・王陽明と陽明学【第13回】日本の朱子学、陽明学【第14回】キリスト教と明末の社会と文化【第15回】最終レポートに対するフィードバック、中国思想史(漢代~明代)のまとめ確認テストは、全部で5点×12回で60点(60%)となります(主に知識問題)。『中國哲學史』狩野直喜(岩波書店)1953、『中国思想史』武内義雄(岩波書店)1957、『朱子学と陽明学』島田虔次(岩波書店)1967、『中国の科学思想:両漢天学考』川原秀城(創文社)1996、『中国思想文化事典』溝口雄三,丸山松幸,池田知久編(東京大学出版会)2001、『東アジアの儒教と礼』小島毅(山川出版社)2004、『中国の音楽論と平均律:儒教における楽の思想』田中有紀(風響社)2014、『中国思想と宗教の奔流:宋朝』小島毅(講談社)2005、『近代中国の思索者たち』佐藤慎一(大修館書店)1998、『絢爛たる世界帝国:隋唐時代』氣賀澤保規(講談社)2005中国思想とはいかなるものか/漢代より前の思想史の復習諸子百家の集大成としての荀子/性悪説礼とは何か前漢の成り立ちと「儒教国教化」/王莽の新/今文と古文の論争劉歆(りゅうきん)の音律学と天文暦法中国の目録学(本をどのように分類するか)玄学とは何か/中国における仏教・道教の歴史嵆康『声無哀楽論』の音楽美学女帝・則天武后の政治/玄宗と楊貴妃/隋唐音楽と日本雅楽韓愈・欧陽脩の古文復興運動/王安石の政治思想と学術/道学の先駆/徽宗朝の文化朱熹の生涯/理気二元論/仏教と道教の影響王陽明の生涯/心即理/知行合一林羅山と徳川幕府/伊藤仁斎と荻生徂徠/幕末の陽明学者・吉田松陰マテオリッチとイエズス会/西洋学術と出会った中国人たち/爛熟した中国文化抽 選 の 有 無なし備考田中 有紀第2期講義コード11B5131201授業形態講義科目名東洋思想史2履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法確認テスト(60%)、最終レポート(40%)フィードバックの内容確認テストは、締め切り終了後に正答を示し、解説を行います。教科書指定図書参考書教員からのお知らせこの授業ではTeamsを使って確認テストやフィードバックを行います。あらかじめ使い方を確認しておいてください。オフィスアワー質問は、Teamsやメール(yuki★ioc.u-tokyo.ac.jp※★は@に変えてください)で受け付けます。アクティブ・ラーニングの内容意見共有、教員からのフィードバックによる振り返り、能動的な授業外学習その他   担 当 教 員    開 講 期 ― 80 ―

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