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哲学科生と死はコインの裏表である。なぜなら、生きる者は必ず死を迎えなければならず、死んだ者はまぎれもなく生きていた者だからである。そうであるならば、「よき死」は「よき生」の同一線上に位置しうるのである。このことを踏まえて本講義では、生と死を真っ直ぐ見据えた上で、それを考える上で土台となる生命倫理学や、日常生活で私たちが向き合うであろう現代社会の具体的諸問題を取り上げていく予定である。生命倫理の基本的諸事項を踏まえつつ人間の生と死の諸問題に関して、基本的な概念や知識を説明することができ、多角的な視点で各当事者の思いや考えに配慮することができる。さらに、自らの置かれた状況を把握することができ、自ら考えて判断し、より良い答えを導き出すことができる。指定図書や参考図書などを利用して、授業で取り上げる内容について予め把握しておくこと。授業後は、プリントを見直しながらもう一度考えて学びを深め、さらに自分で調べて知識を広めること。中間レポートを作成して提出すること。以上、本科目では60時間の授業外学習を行うこと。【第1回】イントロダクション(講義についてなど)【第2回】「いのち」について【第3回】現代社会における諸問題(生と死をめぐる具体的事例)【第4回】生命倫理学Ⅰ(医の倫理①)【第5回】生命倫理学Ⅱ(医の倫理②)【第6回】生命倫理学Ⅲ(生命倫理の成立)【第7回】生命倫理学Ⅳ(生命倫理の四原則①)【第8回】生命倫理学Ⅴ(生命倫理の四原則②)【第9回】生命の始まりに関する諸問題Ⅰ(人工受精)【第10回】生命の始まりに関する諸問題Ⅱ(赤ちゃんポスト)【第11回】福祉に関する諸問題Ⅰ(福祉の理念)【第12回】福祉に関する諸問題Ⅱ(福祉に関する具体的事例)【第13回】生命の終わりに関する諸問題Ⅰ(ターミナルケア)【第14回】生命の終わりに関する諸問題Ⅱ(脳死)【第15回】生命の終わりに関する諸問題Ⅲ(臓器移植)『基礎から学ぶ生命倫理学』村上喜良(勁草書房)2008年、『生命医学倫理』T・L・ビーチャム、J・F・チルドレス(成文堂)1997年、『死は共鳴する-脳死・臓器移植の深みへ』小松美彦(勁草書房)1996年、『脳死』立花隆(中央公論新社)1988年、『増補決定版 脳死の人:生命学の観点から』森岡正博(法蔵館)2000年、『赤ちゃんポストと緊急下の女性:未完の母子救済プロジェクト』柏木恭典(北大路書房)2013年『ケアの本質:生きることの意味』ミルトン・メイヤロフ(ゆみる出版)1987年、『ケアの始まる場所』金井淑子・竹内聖一編(ナカニシヤ出版)2015年、『人生の終わりをしなやかに』浅見昇吾他編(三省堂)2012年、『それでも人生にイエスと言う』V・E・フランクル(春秋社)1993年、『雨上がりに咲く向日葵のように-「余命半年」宣告の先を生きるということ』山下弘子(宝島社)2018年教員からのお知らせ「生と死」は、私たち自身の問題であり、講義の主役は、受講者の皆さんです。毎回の講義で、「脳に汗をかく」ほど考え、オフィスアワー対面講義の場合は、授業に関する質問・相談などを講義後に行います。アクティブ・ラーニングの内容講義内で適宜挙手や意見表明の機会を設けて、皆で共有します。また、リアクションペーパーなどに関して、教員からフィー「心が燃える」ほど感じて下さい。中間レポートは『基礎から学ぶ生命倫理学』から出題します。遠隔講義の場合は、授業に関する質問・相談などは、立正大学の授業支援ツールを用いて行います。ドバックの機会を設けます。特定の教科書は使用しませんが、中間レポートは指定図書の『基礎から学ぶ生命倫理学』から出題します。「授業計画」に沿って講義を展開していきますが、これはあくまで計画です。受講者の要望などを勘案して臨機応変に変更もあり得ます。新型コロナウィルスの影響により、遠隔講義となる可能性もあります。遠隔講義となった場合は、各自ネット環境を整備しておいて下さい。遠隔講義となった場合でも、現状でできる範囲のことを精一杯取り組み、皆さんにより良い学びの機会を提供したいと考えています。成績評価に関しては、対面講義と遠隔講義では変更する予定です。その場合は、授業支援ツールにアップします。抽 選 の 有 無なし備考小館 貴幸第2期講義コード11B5130501授業形態講義科目名人間と生死の問題履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法学期末テスト(60%)、中間レポート(20%)、授業への取組み姿勢:リアクションペーパーや課題等(20%)フィードバックの内容中間レポートに関して、模範解答例・やり方を資料としてアップする。教科書指定図書参考書その他   担 当 教 員    開 講 期 ― 75 ―

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