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科学技術の進展にともないあらゆるものがリスクとして指定され、自由の意味が問われている。本講では、構造的に暴力にさらされてきた女性身体の歴史を検討するとともに文学的想像力の感度にふれることを通じて、「分人主義」という概念に着目する。いかにして、生を、自己を、この<わたし>を肯定することは可能だろうか。ともに学び、ともに、考え、ともに感じたい。1)人間と科学技術をめぐる基礎的概念・学説史を理解することができる。3)女性史研究の成果や優生学の歴史を理解したうえで当事者意識をもって向き合うことができる。4)分人主義の立場から生を肯定する契機を探求することができる。5)学習したことをふまえ、自らの問題関心へと結合させ、学際的研究へとつなげることができる。この科目では60時間以上の授業外学修を行うこと。毎回授業内で提示する論点について復習し(35時間)、翌週テーマについての予習を行う(25時間)【第1回】開講にあたって:科学技術と自由―文学的想像力がひらくものⅠ【第2回】「個人」の歴史【第3回】自己を肯定するということ―「個人」から「分人」へ【第4回】フェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティ(1)―リスク化される身体【第5回】フェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティ(2)―ジェンダーからの/への自由【第6回】フェミニズム、ジェンダー、セクシュアリティ(3)―性/生の政治の暗部と科学技術【第7回】ケア労働と女性―グローバル化する<母性>【第8回】小まとめ1①時代の生きづらさと分人主義の可能性Ⅱ【第9回】<産む身体>と女性(1):反出生主義とは何か【第10回】<産む身体>と女性(2):生権力の磁場と出生前診断【第11回】<産む身体>と女性(3):『夏物語』と『生を祝う』の交叉【第12回】「推し」を推すということと自己肯定:プロジェクションの科学(1)【第13回】「推し」を推すということと自己肯定:プロジェクションの科学(2)【第14回】小まとめ②<わたし>の経験がひらくもの【第15回】全体のまとめ:科学技術と自由のこれから『倫理学とフェミニズム:ジェンダー、身体、他者をめぐるジレンマ』金井淑子(ナカニシヤ出版)2013、『私とは何か:「個人」から「分人」へ』平野啓一郎(講談社)2012、『自由のこれから』平野啓一郎(KKベストセラーズ)2017、『リスク化される身体:現代医学と統治のテクノロジー』美馬達哉(青土社)2012、『生まれてこないほうが良かったのか?:生命の哲学へ』森岡正博(筑摩書房)2020、『夏物語』川上未映子(文芸春秋)2019、『生を祝う』李琴峰(朝日新聞出版)2021、『推し、燃ゆ』宇佐見りん(河出書房新社)2020、『「推し」の科学:プロジェクション・サイエンスとは何か』久保(川合)南海子(集英社)2022、ほか授業内で指示する重要:上記のように講義計画を立てましたが、みなさんの問題関心に応じて検討課題を提示します。自己肯定感に着目しゆっ教員からのお知らせくりと一つのテキストを読んでいただきたいと思っています。書くということを通じ自らを物語ってください。人生の主人公はいつだってあなたです。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業終了後、次の授業に支障がない範囲で教室内にて対応します。また、メールでも受け付アクティブ・ラーニングの内容意見共有、能動的な授業外学習などその他授業資料については、毎回レジュメを配布します。けます(アドレスについては、授業内で指示)。抽 選 の 有 無あり備考米田 祐介第2期講義コード11B5130401授業形態講義科目名人間と科学技術履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法毎回のリアクションペーパー40%、小まとめ①10%、小まとめ②10%、期末レポート40%フィードバックの内容リアクションペーパーに対するフィードバックを翌週授業内冒頭にて行う。教科書授業内で指示する指定図書授業内で指示する参考書   担 当 教 員    開 講 期 ― 74 ―

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