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哲学科― 71 ―自然環境が人間にとってどのような意味を持つのかという論点を、人間を社会的かつ歴史的な存在と捉える観点から考察する。最初に温暖化をはじめとする地球環境問題を具体的に論じる。その後環境問題の本質を把握するためにはどのような思考の枠組みが必要なのかという論題を探求する。最後に、未来世代に残すべき社会のあり方を考究する。講義では先ず地球環境問題の概略を説明し、現代の環境問題を考えるに当たってマルクスの哲学が決定的に重要であることを強調し、マルクスの環境論を講義する。マルクスについての入門的な解説から始め、マルクス的観点からする環境問題の解決法を提起する。必要に応じて、DVDを鑑賞する機会も設ける。意欲的な学生の受講を期待する。を理解する。講義一回につき4時間。合計60時間必要。予習復習、特に復習を怠らず行うように。【第1回】講義全体の構想【第2回】現代地球環境問題の概観1【第3回】現代地球環境問題の概観2【第4回】現代地球環境問題の概観3【第5回】エコロジーにおけるマルクス的観点の重要さについて―今、マルクスを読む意義―【第6回】「アリアドネの糸」としての「定式」―『経済学批判』の「序言」―【第7回】理想と現実の模索から自由の追求へ―青年マルクスの思想展開―【第8回】唯物論とプロレタリアートとの出会い―『独仏年誌』の中心に―【第9回】疎外された労働の分析―『経済学・哲学草稿』の理論世界―【第10回】疎外の止揚と分業―『ドイツ・イデオロギー』の真実―【第11回】『資本論』の哲学―疎外・物象化・物神崇拝―【第12回】『ゴータ綱領批判』の共産主義論【第13回】マルクスとエンゲルスの関係【第14回】マルクスと現実社会主義【第15回】マルクスと環境問題―講義全体のまとめとして―『99%のためのマルクス入門』田上孝一(晶文社)2021、『マルクス疎外論の視座』田上孝一(本の泉社)2015、『マルクス疎外論の諸相』田上孝一(時潮社)2013、『生活から問う科学・技術』岩佐茂(東洋書店)2015、『2052 今後40年のグローバル予測』ヨルゲン・ランダース(日経BP社)2013、『ユートピアのアクチュアリティ』菊池・有賀・田上編(晃洋書房)2022『破壊されゆく地球』フォスター(こぶし書房)2001、『マルクスのエコロジー』フォスター(こぶし書房)2004、『エコマルクス主義』島崎隆(知泉書館)2007、『世界はシステムで動く』ドネラ・メドウズ(英知出版)2015、『権利の哲学入門』田上孝一編(社会評論社)2017、『平等の哲学入門』新村聡・田上孝一編(社会評論所)2021クに努める。ある。教科書に沿って授業を行なうので、教科書は絶対に入手するようにして下さい。抽 選 の 有 無なし備考田上 孝一第1期講義コード11B5130101授業形態講義科目名人間と自然環境履修前提条件授業の目的到達目標現在世界において問題になっている環境問題に関する、基本的な知識を身に付ける。人間と自然に関する適切な哲学的視座授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法授業レスポンス、課題図書を読んでのレポート、期末試験により判定する。一定回数以上の出席を前提とした上で、総合的に判断する。定期試験50%、課題図書レポート20%、授業への取り組み姿勢30%で評価する。授業中に適宜小テストを行い、学生の理解度を確かめながら授業を進める。メインレポートの他に、必要に応じて補助レポートを課して、学生の学習意欲を喚起させる。シラバス記載資料以外にも、授業に関係する参考文献や映像資料等を随時紹介する。フィードバックの内容教科書『人間と自然環境」講義用資料集』田上孝一(私家版)指定図書参考書教員からのお知らせできる限る後期と連続して履修して下さい。オフィスアワー講義終了後に掲示板やメールで適宜対応。アクティブ・ラーニングの内容授業期間中に行うレポート及び小テストの回答を素材に討論会を行う。また、オンラインを活用して授業内容のフィードバッその他教科書とレポート課題図書を独自に作成し、学校の売店(紀伊國屋書店)にてそれぞれ廉価(千円程度)で販売する予定で   担 当 教 員    開 講 期 

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