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哲学科生きるということは、簡単なようでいて、かなり難しい厄介な問題を抱えている。実際、私たちは本当に生きているといえるのか、ただ何かを消費しているだけではないのか、そう、時間を消費し続けているのではないだろうか。フロムの人生論をじっくり検討することが、この授業の目的である。同時に、深く生きることと社会制度及び宗教との繋がりについても検討することを目指す。20世紀初頭から後半へと、人類の未来の希望は常に挫折してきた。その根源的な理由が、社会の制度のみの問題ではなく、生きることの意味そのものの探求を怠ってきたところにあることが理解できるようになる。同時に、生きることの深くて豊かな意味を自ら考察する力を身に着けることができる。各回の授業のテキスト該当箇所を必ず事前に読み、分からない箇所はまず事前に自分で徹底的に調べてみる。そして、そこで主張されていること、結局自分には理解し得なかったことをノートにまとめておき、授業で適切に発表や質問ができるように準備しておくこと。そのために授業外で60時間以上の学修が必要と思われる。【第1回】フロムの生きた時代【第2回】希望はどこにあったのか【第3回】希望の挫折【第4回】持つことと在ることの相違【第5回】日常経験における持つことと在ること【第6回】宗教における持つことと在ること【第7回】持つことの様式とは何か【第8回】在ることの様式とは何か【第9回】持つことと在ることの新たな側面【第10回】宗教と性格と社会の関連【第11回】人間変革の条件【第12回】新しい人間の特色【第13回】新しい社会の特色【第14回】希望はどこにあるか【第15回】まとめンン※以上は予定であり、学生の関心の方向性や理解度に応じて、思索の流れに沿って教育的に変更することもあります。評価方法:簡単なリアクションペーパーを毎回提出評価基準:テキストの内容および基礎概念を理解したか(45%)、それに基づいて自ら思索しているか(45%)、授業への取り組み姿勢(10%)で、各回のリアクションペーパーを判定し平均点を最後に算出。『自由からの逃走』エーリッヒ・フロム(東京創元社)1965、『希望の革命』エーリッヒ・フロム(紀伊國屋書店)1970、『悪参考書について』エーリッヒ・フロム(紀伊國屋書店)1989、『人生の意味と神』フランクル(新教出版社)2014、『生きがい喪失の悩み』フランクル(講談社学術文庫)2014、『それでも人生にイエスと言う』フランクル(春秋社)1993教員からのお知らせフロムの著作を読むには幅広い教養が必要です。ですから、分からない箇所も多いかもしれませんが、落胆せずに根気よく調べながら読んでみてください。本授業に関する質問・相談は、下記の方法で受け付けます。①オフィスアワー/木曜日14:30-16:00②授業時間の前後③メール/原則、平日(金曜は除く)8:00-16:00に返信/あて先は授業内で指示します。・能動的な授業時間外学習。うに。抽 選 の 有 無なし備考村上 喜良第2期講義コード11B5121701授業形態演習科目名哲学演習2履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法フィードバックの内容リアクションペーパーに関しては、その都度、授業で講評する教科書『生きるということ』エーリッヒ・フロム(紀伊國屋書店)1977指定図書『愛するということ』エーリッヒ・フロム(紀伊國屋書店)1991オフィスアワーアクティブ・ラーニングの内容・毎回、教師からのフィードバックによる振り返り。その他楽しい授業にしましょう。そのためにも、私も頑張りますが、皆さんも頑張ってください。なので、遅刻や欠席はしないよ   担 当 教 員    開 講 期 ― 43 ―

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