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本年度の大枠のテーマは「日本人の宗教観」です。宗教観といっても何か1つのものがあるわけではありません。死生観も宗教観ですし、お墓に対する考え方も宗教観です。宗教観の中身は多種多様です。この宗教観は、個々人がもっているものですが、必ずその人が生活している社会の影響を受けて成立しています。そこで、実習生たちの近親者にインタビューとアンケート調査を行ない、今の日本での宗教観の見取り図を作成し、その宗教観を生み出す社会について明らかにしたいと思います。本年度も、地域に調査に行くことは難しいと考えています。もし仮にこのコロナ禍が過ぎ去ったとしても、しばらくの間は、自分自身の生活にかかわりのないものは、当事者にとって非常に迷惑になるものと考えらます。例えそれが電話やメールといった対面的でない方法であったとしても、「赤の他人」からの依頼に対して、この緊急事態の最中に、あるいは少し落ち着いた状況で皆さんは応えますか? なかなか難しいと思います。そう考えると、「赤の他人」ではない、近親者に依頼をすることで、従来と同様のインタビューとアンケートを行なえると考えました。ですが、近親者とはいえ、迷惑は迷惑です。このことは肝に銘じておいてください。本実習の到達目標は、以下の9点と考えています。(1)テーマに関して知識を深めること。(2)現代社会を見渡し、その中からテーマに関わる事象・現象・対象(以下調査対象と略記)を選定すること。(3)調査対象に関する適切な文献資料を収集し、整理・検討をすること。(4)(3)の検討結果から「調査すべき」課題(調査する意義・意味)を設定すること。(5)設定した課題にもとづき、適切な調査設計をし、調査をすること。(6)調査結果を「社会学的なものの見方」で分析すること。(7)分析結果を報告書やレジュメとしてまとめ、報告すること。(8)分析結果から今後の課題(明らかにできなかったことなど)を見出すこと。(9)上記、社会調査に関わる一連の流れを理解し、自分自身で実行できるようにすること。本実習では、量的調査と質的調査の両方を行なう予定です。どのような対象を選択し、どのような内容の質問を作成し、調査票やインタビューに反映させるのか。そして収集した量的データやインタビューをどのように分析すればよいのか、これらは調査テーマに関する資料や先行研究をきちんと整理すれば見えてくるはずです。したがって、資料・先行研究の収集と分析には特に力を入れたいと思います。以上の点について120時間以上の授業外学修を行なってください。【第1回】 ガイダンス、調査テーマの共有、グルーピング【第2回】 資料・先行研究の収集と分析、報告1【第4回】 資料・先行研究の収集と分析、報告2【第5回】 資料・先行研究の収集と分析、報告3【第6回】 資料・先行研究の収集と分析、報告4【第7回】 調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)1【第8回】 調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)2【第9回】 調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)3【第10回】 調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)4【第11回】 調査企画(テーマに関する課題・調査内容・方法・対象の検討・確定など)5【第12回】 調査準備(対象へのアポイント、質問項目・インタビュー内容の整理など)1【第13回】 調査準備(対象へのアポイント、質問項目・インタビュー内容の整理など)2【第14回】 調査準備(対象へのアポイント、質問項目・インタビュー内容の整理など)3【第15回】 模擬調査、調査内容の再検討【第16回】 実査後の資料整理(量的データの集計、インタビュー内容の整理、テープお越しなど)1【第17回】 実査後の資料整理(量的データの集計、インタビュー内容の整理、テープお越しなど)2【第18回】 実査後の資料整理(量的データの集計、インタビュー内容の整理、テープお越しなど)3【第19回】 分析(追調査を含む)1【第20回】 分析(追調査を含む)2【第21回】 分析(追調査を含む)3【第22回】 分析(追調査を含む)4【第23回】 分析(追調査を含む)5【第24回】 報告書の作成(追調査を含む)1【第25回】 報告書の作成(追調査を含む)2【第26回】 報告書の作成(追調査を含む)3【第27回】 報告書の作成(追調査を含む)4【第28回】 報告書の作成(追調査を含む)5【第29回】 報告書の作成(追調査を含む)6【第30回】 報告書完成、総括ン※尚、上記「計画」はあくまでも予定ですので、変更の可能性があります。ただし、成績評価の対象は、授業を行なった回数の3分の2以上の出席がある学生のみですので、注意してください。却する。抽 選 の 有 無なし備考武井 順介通年講義コード11B7120904授業形態実習科目名社会調査実習1D履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法授業への取組み50%、報告・報告書50%。フィードバックの内容授業内での報告に関しては、内容に対する指摘を授業内で口頭で行なう。提出された文章に関しては、添削したのちに、返教科書指定図書参考書『社会学研究ガイドブック〈改訂版〉』立正大学文学部社会学科編(立正大学文学部社会学科)2012、『質的調査ガイドブック』立正大学文学部社会学科編(立正大学文学部社会学科)2008グループワークを基本としますので、遅刻・欠席はないようにしてください。また、授業時間外での作業が多い科目ですので、作業ができる時間を必ず作ってください。実習は受講者の主体的・積極的な参加が必要です。教員に「教わる」ことを意識して実習に参加しても得られることは少ないです。自分で「見つける」ことを意識して参加することによって、はじめて色々と得るものがあります。本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて受付けます。また、時間があれば授業終了後にも受け付けます。オフィスアワーや授業終了後では都合が悪い学生は、Microsoft Teamsのチャットにて問い合わせ予約をとってください。教員からのお知らせオフィスアワーアクティブ・ラーニングの内容ディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション、実習・フィールドワークその他   担 当 教 員    開 講 期 ― 270 ―

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