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文学部開設科目出版とはそもそも「地域」に根付いた性質をもつメディアであるが、近年はデジタル化やグローバル化の波にさらされ、大きな変容を迫られている。本講義では、現在の出版界の前史となる1945年から1970年という時代に着眼し、その時代の出版や映画というメディアのオルタナティブな側面に照準する。日本の出版界が「中央」のメディアとせめぎ合いながら推移していく姿を通して、混迷する現在のメディア状況を理解していく。1. 出版というそもそも脱中心的なオルタナティブ性をもったメディアにおける言論の展開を、「地域」そして戦後の「論壇」さらに映画表象などの様相から理解できるようになる。2.戦後日本のメディア界の在り方について、技術、情報、文化、社会などの相関から理解し、自らの言葉で説明、定義できるようになる。この科目では、60時間以上の授業外学修を行うこと。予習:各回の授業で講読する文献の指定箇所をしっかりと読んでおくこと。復習:授業で論じられた内容を改めて反復し、リアクションペーパーを作成すること。【第1回】 イントロダクション 【第2回】 「総合雑誌」の時代:雑誌『世界』を中心に(『論壇の戦後史』序章~第2章)【第3回】 戦後混乱期の「論壇」(『論壇』第3章)【第4回】 平和問題談話会(『論壇』第4章)【第5回】 『世界』の時代(『論壇』第5章)【第6回】 政治の季節(『論壇』第6章)【第7回】 高度成長(『論壇』第7章)【第8回】 『朝日ジャーナル』の時代(『論壇』第8章)【第9回】 「ポスト戦後」の時代(『論壇』終章)【第10回】 中間レビュー:「地域」における「オルタナティブ・メディア」としての出版の役割とは【第11回】 アメリカ占領下の日本映画1945-1952(『日本映画史110年』第6章)【第12回】 第二の全盛時代へ1952-1960(『映画史』第7章)【第13回】 騒々しくも、ゆるやかな下降1961-1970(『映画史』第8章)【第14回】 大島渚、若松孝二ほか【第15回】 学期まとめ:地域という概念と出版、映画というメディア授業のリアクションペーパー(40%)、期末レポート(40%)、授業の取り組み姿勢(20%)から総合的に評価する。また到達目標に記載の内容について、テキストや授業の説明の内容を踏まえて、具体的な事例などを挙げながら自らの言葉でリアクションペーパーやレポートを論述できることを評価基準とする。スを問うつもりで臨んでください。け付けます。り返り、さらにレジュメ作成などの能動的な授業外学習を行います。ン- 授業の概要説明ン- 現在の日本の出版界が置かれている状況抽 選 の 有 無あり備考山崎 隆広第1期講義コード11B4132401授業形態講義科目名地域と出版履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法フィードバックの内容リアクションペーパーに対する講評を原則として翌週の授業内冒頭にて行う。教科書『増補 論壇の戦後史』奥武則(平凡社)2018、『日本映画史110年』四方田犬彦(集英社)2014指定図書参考書教員からのお知らせ出版についての特別な予備知識は必要ありません。現在の出版界がどのような経緯を経て今に至っているのか、そのプロセオフィスアワー本授業に関する質問や相談は、授業前後の他の授業に支障がない範囲で、またWebClassのメッセージ機能などを通じて受アクティブ・ラーニングの内容授業やテキストの内容についての意見共有や議論、リアクション・ペーパーについての教員からのフィードバックによる振その他   担 当 教 員    開 講 期 ― 15 ―

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