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東洋史とは、「中国」を中心とした地域や国の歴史でなく、ユーラシア大陸東部における遊牧民と農耕民の相克の歴史という面を持っている。ではそうした枠組みにおいて、隋唐王朝はどのように位置づけられるのか。歴史を学問するということは基礎知識を身につける同時に、既存の知識の根拠を尋ねて再考してみることである。この授業を受けて、たくさんの疑問を見つけてもらいたい。東洋史の基礎知識を身につけてもらうと同時に、東洋史がどのような学問であるのかを理解してもらう。具体的には日本(倭)をふくむユーラシア大陸東半分の諸地域・諸国家の関係は、近現代の国家の存在や枠組みと全く異質であることが理解できるようになることが目標になる。意識的に世界史、東洋史に関係する書籍も読んでほしい。講義時間以外にそうした分野の読書のための学修時間を60時間以上を確保してほしい。【第1回】秦漢隋唐史概観-遊牧民と農耕民【第2回】匈奴と鮮卑【第3回】北朝の展開【第4回】南朝の展開【第5回】隋の成立【第6回】隋末唐初の乱【第7回】隋唐と高句麗(1)【第8回】隋唐と高句麗(2)によって成績評価を行う。では、小テストの結果をもとにとくに再度説明が必要な箇所を重点的に解説をおこなう。『南北朝時代』会田大輔(中央公論社)2021、『ソグド人の美術と言語』曽布川寛・吉田豊(臨川書店)2011、『唐代の国際関係』石見清裕(山川出版社)2009、『興亡の世界史5シルクロードと唐帝国』森安孝夫(講談社)2007、『北魏史』窪添慶文(東方書店)2021、『遊牧民から見た世界史』杉山正明(日本経済新聞社)2011けます。にも教員からフィードバックをおこなう。14世紀後半、モンゴル国家である元朝を滅ぼして成立した明朝は、東アジア世界の諸地域にも影響を与えたが、16世紀に入ると大航海時代の波が、明朝を中心とする東アジアに波及して動揺を与えることとなった。本講義では、元朝を滅ぼして出現し、日本や朝鮮をはじめとする東アジア諸地域にも多大な影響を与えた明朝の成立から、衰退の兆しが現れ始める明末(嘉靖・万暦年間)までの流れを概観し、その意義を考える。「概説」という性質上、歴史の流れや中国と周辺国家(朝鮮・日本など)との関係を重点に置くため、極度の専門項目までは立ち入りませんが、必要に応じて原典史料を読み、最新の研究成果もできるだけ紹介します。「東アジア世界」という広い視野を当該時代を眺めることにより、「新たな発見」を見出すことを目指しています。この授業では、60時間以上の授業外学修をおこなうこと。毎回の授業後、授業内容を整理し、次回の授業に臨むこと。また、新聞・ニュースなどに注意を払い、関連情報の収集に努めること。【第1回】「14世紀」の東アジア-導入【第2回】元末の混乱と群雄割拠【第3回】明朝の建国と洪武帝の諸政策【第4回】「靖難の役」と永楽帝の即位【第5回】鄭和の南海遠征と対日交易【第6回】内閣制度の誕生【第7回】「陰の内閣」と宦官【第8回】「土木の変」『明の太祖 朱元璋』壇上 寛(白帝社)1994、『永楽帝』壇上 寛(講談社学術文庫)2012、『中国史(世界各国史3)』尾形勇ほか(山川出版社)1998、『明清と李朝の時代』岸本美緒ほか(中央公論社)1998、『海と帝国:明清時代』上田 信(講談社)2005、『東アジアの「近世」』岸本美緒(山川出版社)1998、『日明関係史研究入門』村井章介(勉誠出版)2015、『永楽帝(世界史リブレット)』荷見守義(山川出版社)2016、『李自成(世界史リブレット)』佐藤文俊(山川出版社)2015、『銀の世界史』祝田秀全(筑摩書房)2016参考書『長城の中国史』阪倉篤秀(講談社選書メチエ)2004、『明代長城の群像』川越泰博(汲古書院)2003、『明代中国の疑獄事教員からのお知らせ概説という科目の性質上、受講の継続性が求められる。また授業時で紹介する各種概説書・参考資料はできるだけ多読してオフィスアワーこの授業に関する質問等は、授業終了後、次の授業に支障ない範囲で教室にて受け付けます。または、学科で定めているオアクティブ・ラーニングの内容課題のフィードバックその他授業用のプリントを配布します(配布方法は第1回授業時に周知)。パワーポイント中心の授業となりますが、シッカリと件』川越泰博(風響社)2002欲しい。連続した授業である「東洋史概説4」も継続して受講することを希望します。フィスアワーにて受け付けます。ノートを取ってください。抽 選 の 有 無なし備考抽 選 の 有 無なし備考【第9回】隋唐と突厥【第10回】唐朝の成立と展開【第11回】玄奘の旅と東ユーラシア【第12回】安史の乱【第13回】唐末五代の展開【第14回】ふりかえり【第15回】まとめ【第9回】「銀」の流通と農民の反抗【第10回】「大礼の議」【第11回】「北虜」と「南倭」(1)【第12回】「北虜」と「南倭」(2)【第13回】張居正の革新政治と「万暦三大征」【第14回】「三案」事件【第15回】まとめ岩本 篤志野沢 佳美第2期第1期講義コード11B6123401授業形態講義科目名東洋史概説2履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法小レポートを1回(15%)、期末レポート(75%)を課す。そうした課題への取り組みおよび、授業への取り組み姿勢(10%)フィードバックの内容いずれのレポートに関しても授業内で総評をおこなう。また小テストに関しては模範解答を示す。また「ふりかえり」の回教科書指定図書参考書教員からのお知らせオフィスアワー本授業に関する質問・相談は、原則としてオフィスアワー(水曜6限)に受け付けます。またWebclassのメールでも受付アクティブ・ラーニングの内容いずれのレポートも授業内容に深く関わるものであり、リアクションペーパーとしての役割もある。またいずれのレポートその他講義コード11B6123501授業形態講義科目名東洋史概説3履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法平常点(25%)・授業内課題(25%)および期末試験(50%)による総合評価。フィードバックの内容講義内において受講生に対して投げかけた問題点や課題については、原則次週の授業時に講評する。教科書指定図書   担 当 教 員    開 講 期    担 当 教 員    開 講 期 ― 140 ―

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