― 79 ―仏教史学というとき、その意味するところは広汎であり、思想史、教理史、教団史等、様々な研究領域が存在する。この授業では社会の中に存在した事象としての仏教を史的に追究する。いわば社会史としての仏教史学である。対象を、中国大陸において仏教が広く受容され独自の姿が形成されていった南北朝隋唐の時代に定め、そこに展開した仏教関連の諸事象を政治や社会との関係の中から描出するための方法論を学ぶことを目的とする。1.史的存在としての仏教を考察するために適切な史料を抽出することができる。2.当該史料を読解し、個別の史実を連関させて一つの事象の全体像を構成し、さらに諸事象を総合して当該時代の仏教思潮と社会の動向を論理的に説明することができる。配付資料の予習と、関係する漢籍史料の抽出・調査・読解の準備が必須です。学部授業「中国仏教史」の指定図書を参考に中国史・仏教史の概説書を読み、また博物館見学を心がける等、歴史の総合的理解に努めること。これらを併せ計60時間の授業外学修を行うこと。【第1回】中国史の文献研究基礎知識【第2回】中国仏教史の文献研究基礎知識【第3回】論文および史料の講読(1)【第4回】論文および史料の講読(2)【第5回】論文および史料の講読(3)【第6回】論文および史料の講読(4)【第7回】論文および史料の講読(5)『インド哲学仏教学への誘(いざな)い:菅沼晃博士古稀記念論文集』菅沼晃博士古稀記念論文集刊行会編(大東出版社)2005、『中国仏教研究入門』岡部和雄,田中良昭編(大蔵出版)2006、『中国仏教史籍概論』陳垣著,西脇常記・村田みお訳(知泉書館)2014、『中国歴史研究入門』礪波護,岸本美緒,杉山正明編(名古屋大学出版会)2006、『中国史研究入門 上(増補改訂版)』山根幸夫編(山川出版社)1991、『中国史研究入門 下(増補改訂版)』山根幸夫編(山川出版社)1995、『漢籍はおもしろい』京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター編(研文出版)2008年家庭用の漢字辞典、電子辞書は不可。メールアドレスは、授業開始当初に案内します。インドにおける仏教の歴史的展開は様々な観点から研究されている。この授業では、初期大乗仏教が芽生えたと考えられる紀元前後の時代の北インド・西北インドの基盤社会について、とくにその文化的側面について理解を深めることを目的とす授業の目的る。到達目標初期大乗仏教が芽生えた基盤社会、特に北インド・西北インドを拠点としたクシャン王朝下の社会・宗教文化の特異性について理解を深めることが出来る。本年度は、サカ・クシャン王朝下のマトゥラーの歴史と文化を扱った論文集、Mathura-The Cultural Heritage(Doris Meth 授業外学修内容・Srinivasan ed.)に掲載されたいくつかの論文を読み進めながら、その内容について検証し解説してゆく。従って、授業参加授業外学修時間数には当該テキストの事前学習が必要となり、計60時間以上の授業外学修を各自の責任で進めて欲しい。【第1回】 サカ・クシャン時代のマトゥラーの宗教文化に関する講義【第2回】 同【第3回】 Richard Salomon,“Daily Life in Ancient Mathura”の輪読【第4回】 同【第5回】 同【第6回】 同【第7回】 同【第8回】 N.P.Joshi、“Early Jaina Icons from Mathurā”の輪読【第9回】 同【第10回】 同【第11回】 同【第12回】 同【第13回】 同への取り組み姿勢(20%)。事前に準備して予習しておいてください。す。抽 選 の 有 無なし備考抽 選 の 有 無なし備考【第8回】論文および史料の講読(6)【第9回】論文および史料の講読(7)【第10回】論文および史料の講読(8)【第11回】論文および史料の講読(9)【第12回】論文および史料の講読(10)【第13回】総括手島 一真髙橋 堯英第2期第1期講義コード13B1103201授業形態演習科目名(博)仏教史学演習4履修前提条件授業の目的到達目標授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法授業への取り組み姿勢30%、小論文70%フィードバックの内容提出課題に対する講評は、個別に行う。教科書プリントを配布指定図書参考書授業内で紹介します。教員からのお知らせ漢和辞典として、『全訳漢辞海』(三省堂)、『新漢語林』(大修館書店)、『新字源』(角川書店)のいずれかを持参すること。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業時には直接、それ以外の時間にはEメールにて受け付けます。アクティブ・ラーニングの内容意見共有、能動的な授業外学習など実践的な教育内容その他講義コード13B1103501授業形態演習科目名(博)仏教文化特講3履修前提条件授業計画成績評価の方法授業は縦糸にするテキストの講読と解説・ディスカッションという形で進めるので、授業準備状況で評価する(80%)、授業フィードバックの内容「ふりかえり」の機会を設け、受講生の質問を受け、それまでの内容を確認する。教科書『Mathura - The Cultural Heritage』D. M. Srinivasan ed.(American Institute of Indian Studies)1989指定図書参考書教員からのお知らせテキストは共有ストレージ内の髙橋堯英のストレージにアップします。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、授業中に対応するが、メール(takahidetakahashi1955@gmail.com)でも受け付けます。アクティブ・ラーニングの内容各自の事前学習の内容を授業中に確認するかたちで進め、ディスカッションを通じクシャン時代の特性の理解深めてゆきま実践的な教育内容その他令和7(2025)年度 講義案内 文学研究科 担 当 教 員 開 講 期 担 当 教 員 開 講 期
元のページ ../index.html#83