― 265 ―カント哲学に関する膨大な研究蓄積にもかかわらず、その真の姿はむしろ見えにくくなっているかのような昨今である。近来の研究によれば、『純粋理性批判』における自由論や道徳論、ひいては宗教論は、『実践理性批判』や『判断力批判』、さらに『たんなる理性の限界内における宗教』(略称『宗教論』)へと変換されていったと思われる。この授業では、こうした見通しにもとづいて『宗教論』の第二篇「人間の支配をめぐる善の原理と悪の原理の戦いについて」を精読する。この科目では、次のような作業により60時間以上の授業外学修を行なうこと。すなわち、授業前後にテクストを反復して読み、納得できる理解の仕方を求め続け、それを口頭ないしは文章によって表現すること。【第1回】第一章「人間支配への善の原理の権利主張について【第2回】同上(2)【第3回】第一章「人間支配への善の原理の権利主張について【第4回】同上(2)【第5回】第一章「人間支配への善の原理の権利主張について【第6回】同上(2)【第7回】第二章「人間支配への悪の原理の権利主張と、両原理の間の戦いについて」の読解(1)【第8回】同上(2)【第9回】同上(3)【第10回】同上(4)【第11回】同上(5)【第12回】「総注」の読解(1)【第13回】同上(2)あらかじめ配布された資料を読んでおくこと。授業後に自ら哲学的思索を行なうこと。そのため60時間以上を求める。【第1回】意志行為説【第2回】意志行為説批判【第3回】アンスコムの行為論①【第4回】アンスコムの行為論②【第5回】デイヴィドソンのアンスコムからの離反①【第6回】デイヴィドソンのアンスコムからの離反②【第7回】行為の多義性と一人称権威①【第8回】行為の多義性と一人称権威②【第9回】意図の在りか:可能な障害と調整の物語①【第10回】意図の在りか:可能な障害と調整の物語②【第11回】基礎行為【第12回】行為記述の生成【第13回】行為者性noya@u01.gate01.coma善の原理の人格化された理念」の読解(1)bこの理念の客観的実在性」の読解(1)cこの理念の実在性に対する種々の困難とその解決」の読解(1)抽 選 の 有 無なし備考抽 選 の 有 無なし備考湯浅 正彦野矢 茂樹第2期第1期講義コード12B6102401授業形態演習科目名近代哲学演習2履修前提条件授業の目的到達目標哲学が形而上学であり続ける必然性について考えることができる。授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法討論への貢献など授業への取り組みと、レポートによる総合評価。フィードバックの内容レポートには講評を加える。教科書プリントを配布する。指定図書なし。参考書適宜紹介する。教員からのお知らせなし。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、専攻にて定めるオフィスアワーにても受け付けます。アクティブ・ラーニングの内容意見共有のための質疑応答。実践的な教育内容なし。その他なし。講義コード12B6102501授業形態演習科目名近代哲学演習3履修前提条件授業の目的行為論について理解を深め、自ら哲学的に考察する。到達目標たんなる自然現象とは異なる人間の行為のあり方について明晰な理解を得る。授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法平常点。必要ならばレポート課題を課す。フィードバックの内容教師が提起した問題に対して自ら考え、教室において教師と対等の立場で議論する。教科書指定図書参考書教員からのお知らせ資料はプリントとして配布します。オフィスアワー授業がある日の3限。下記のアドレスにメールで申し出ること。アクティブ・ラーニングの内容ゼミナール形式で、毎回ディスカッションを行なう。実践的な教育内容その他令和7(2025)年度 講義案内 文学研究科 担 当 教 員 開 講 期 担 当 教 員 開 講 期
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