gs_syllabus2025
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― 260 ―本講義では、ヒトとは何か、ヒトだけが理解できる意味について考える。そのための手がかりとしてハイデガーの思想、ヒトとチンパンジーの違い、行為論、物語論、認知言語学に焦点を当てる。様々な思想を理解することによって、「ヒトとは何か」を明らかにすることが、本講義の目的である。レポート作成などのために、各回の授業内容の予習、復習など、授業外に計60時間の学修を行うこと。【第1回】授業の予定、進め方。ヒトとは何か?【第2回】チンパンジーの知的能力【第3回】トマセロの仮説と他者の意図【第4回】ヒトにのみ固有な能力としての「距離を空ける」こと【第5回】アンスコム『インテンション』意図とは何か【第6回】観察によらない知識としての実践的知識ハイデガー② 道具とは何か?【第7回】『美徳なき時代』における物語による「誰」の理解【第8回】物語文による「意図」と「誰」の捉え直し【第9回】「二重の否定の体系における二重の否定」としての意味【第10回】意味の習得における「否定」の機能【第11回】〈他者〉の成立と「求心化-遠心化作用」【第12回】「第三者の審級」による権威の生成。【第13回】授業の振り返り。最終レポート提出。ンン授業の予定は、学生の理解度によって、適宜変更される場合がある。また、必要があれば、自身の研究を発表してもらい、検討することもありえる。『意味と他者性』大澤真幸(勁草書房)1994、『美徳なき時代』マッキンタイア(みすず書房)1993、『物語としての歴史』アーサー・C・ダント(国文社)1989、『存在と時間』ハイデガー著 熊野純彦訳(岩波文庫)2013、『想像するちから―チンパンジーが教えてくれた人間の心』松沢哲郎(岩波書店)2011、『インテンション行為と実践知の哲学』アンスコム著 柏端達也訳(岩波書店)2022、『心とことばの起源を探る(シリーズ認知と文化4)』マイケル・トマセロ著 大堀壽夫訳(勁草書房)2006、『コミュニケーションの起源を探る(ジャン・ニコ講義セレクション7)』マイケル・トマセロ著(勁草書房)2013、『物語としての歴史-歴史の分析哲学』アーサーC.ダント著(国文社)1989、『ことばと思考(岩波新書)』今井むつみ(岩波書店)2010も受付けます(利用方法はポータルサイト、ライブラリ内のマニュアルを参照)。抽 選 の 有 無なし備考木村 史人第1期令和7(2025)年度  講義案内 文学研究科講義コード12B6100901授業形態演習科目名近代哲学講義5履修前提条件授業の目的到達目標「ヒトとは何か」について自分なりの回答に至ること。授業外学修内容・授業外学修時間数授業計画成績評価の方法授業への参加姿勢(50%)および最終レポート(50%)で、授業内容の理解度およびそれを応用する思考力を評価する。フィードバックの内容授業内で出た質問について、教員が直接回答する。教科書『チンパンジーは、なぜ「教え」ないのか』木村史人(晃洋書房)2025指定図書参考書教員からのお知らせ教員が用意したテキストを一緒に読んで議論します。一緒に頑張りましょう。オフィスアワー本授業に関する質問・相談は、学部学科にて定めるオフィスアワーにて受付けます。また、WebClassのメッセージ機能でアクティブ・ラーニングの内容講義の内容を基に、グループワークを行います。実践的な教育内容その他   担 当 教 員    開 講 期 

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