歴史学の勉強は、教科書や概説書に書かれていることを覚えることではありません。もちろん、そのような本を読み、これまで知らなかったことを新たに知ること自体は楽しいことです。ですが、本当の歴史学のおもしろさ、楽しさは、自らが仮説を作り出すことにあります。私たち教員は、学生諸君にそのおもしろさを味わってほしいと強く希望しています。
ただし、仮説を作ればよいというものではありません。まず自分なりの考えを打ち出すには、これまでの研究を知る必要があります。多くの先行研究を読み、その問題点を考える。次には、仮説がほかの人々に納得してもらえるものになる必要があります。そのためには、根拠をしっかり史料によって示さなければなりません。きちんとした史料を収集し、読解を十分に行うことがその前提になります。
以上の2つのことは、決して易しいことではありません。皆さんは、本や論文、そして史料をできるだけたくさん読んでください。
史学科では、こうした考え方に基づいたカリキュラムを組んで、皆さんの歴史学への取り組みを援助します。