学部長からのメッセージ

文学部で学ぶということ

文学部長 島村 幸一 文学部長 島村 幸一

 21世紀に入って、世界や日本は、ますます混迷しているように思います。若い時は、なにかと不安だらけだと思いますが、それ以上に昨今の社会情勢や世相は、袋小路に入って羅針盤の針を見失った先が見えない状態になっているように思います。皆さんは、多かれ少なかれ、先が見えない不安感を抱えているのではないでしょうか。

 しかし、だからこそ、文学部で学ぶ意味があると考えます。文学部は基本的に、すぐ役に立つような実学を学ぶところではありません。文学部は、ヒトについての根本を考える学部です。「文学」とは、古今東西の「文」を「よみ」、「文」をとおしてヒトを考える学問です。立正大学文学部には、哲学科、史学科、社会学科、文学科日本語日本文学専攻コース、文学科英語英米文学専攻コースがあります。文学部はそれぞれの専門領域で、「文」を「よみ」、考えることをとおして、ヒトの存在について、「歴史」や「社会」について、あるいは、言葉や叙述・物語についてを学び、人間の根本を深く思索するところです。その積み重ねは、皆さんが身に付けた専門分野の知見を大きく深く広げることになり、その知見に基づいた自律的で柔軟な思考を育むことになります。すなわち、それは自分と他者の関係、自分と社会との関係を知ること、また自分自身を根本から知ることになるのです。

 私たちは現実を生きる上で、その場に応じた対応を迫られることが多くあります。むしろ、それが日常だと思います。しかし、そうであるからこそ、ここで育んできた知見と知恵で、目先にとらわれない別の選択肢、別の可能性を見いだし、より知恵のある選択、より自分自身にふさわしい選択肢を探し出して下さい。立正大学文学部は、皆さんが社会で活躍するために充分な語学力を養うための語学教育課程や、様々な資格が取得できる授業科目を充実させています。しかし、これはあくまでもここで学ぶ最終的な目的ではありません。これは、皆さんが社会の中で自分を活かすためのプログラムであり、大事なものは別にあります。

 立正大学文学部は、90周年余の歴史を持つ、全国有数の学部です。90周年余の学問の不易(不変)と流行(変化)の上に、現在の学科・専攻コースがあり、それぞれの学科・専攻コースが築いた特徴があります。どうか、皆さんはそれぞれに特徴ある学科・専攻コースのカリキュラムを理解して、学んでください。繰り返しますが、大学生活は受け身であってはいけません。積極的に主体的に、学んでください。そして、意欲的意志的な学生生活を送ってください。常に〈知〉のアンテナを高く広く張って歩いてください。自分を飛躍させるチャンスや出会いを、鋭くキャッチしてください。
 私たちも、皆さんとの出会いを待っています。どうか、充実した学生生活をお送りください。

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